トランプ氏「やらせ」発言に批判 デモ参加者重傷巡り

2020/6/10 7:26
保存
共有
印刷
その他

ニューヨーク州バッファローで警官に突き飛ばされるデモ参加者(4日、地元放送局撮影の映像)=AP

ニューヨーク州バッファローで警官に突き飛ばされるデモ参加者(4日、地元放送局撮影の映像)=AP

【ニューヨーク=宮本岳則】米東部ニューヨーク州バッファローで警官に突き飛ばされたデモ参加者の男性(75)が転倒して重傷を負った事件で、トランプ大統領の発言が批判を浴びている。同氏は9日のツイッターで「押されたよりも激しく転んでいた」と発言し、「やらせ」の可能性を示唆した。ニューヨーク州のクオモ知事は「証拠なしに個人の名誉を傷つけている」と述べ、被害者への謝罪を求めた。

トランプ氏は負傷したデモ参加者の実名を出した上で「アンティファの扇動家かもしれない」などと書き込み、仕組まれた可能性を示唆した。トランプ氏はかねて極左団体「アンティファ(反ファシスト)」がデモの暴徒化をあおっていると主張し、テロ組織に指定する方針を示していた。アンティファ自体は組織ではないが、人種差別や反ユダヤ主義に、時に暴力的に対抗するため連携する極左グループや個人の運動とされる。

トランプ氏は負傷者とアンティファを結びつける根拠を何も示さなかった。これに対し、クオモ知事は9日の記者会見で「無責任、卑劣かつ不作法」と非難した。米ミネソタ州で起きた黒人男性暴行死をきっかけに、全米で警官への抗議運動が広がるなか、トランプ氏の発言が「火に油を注いでいる」と指摘した。米与党・共和党のミット・ロムニー上院議員も米CNNの取材に対し、「(トランプ氏のツイッターをみて)ショックをうけた」と述べた。

ニューヨーク州バッファローでは4日のデモで、高齢男性が警官2人に突き飛ばされ、頭部から流血する重傷を負った。一部始終が動画で撮影され、ネット上で拡散した。当事者の警官は停職となり、訴追されたが無罪を主張している。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]