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ワタミ渡辺美樹会長「居酒屋3割閉店を覚悟」

2020/6/10 2:00 (2020/6/10 5:32更新)
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渡辺会長は弁当宅配サービスや飲食店の新業態で社員の雇用を守れると語る(東京都大田区のワタミ本社)

渡辺会長は弁当宅配サービスや飲食店の新業態で社員の雇用を守れると語る(東京都大田区のワタミ本社)

新型コロナウイルスの感染拡大は居酒屋業界を直撃した。ワタミ(7522)の国内外食事業の既存店売上高は3月は前年同月比40%減、4月は93%減と急減した。不採算店の閉鎖に伴う減損損失などで、2020年3月期の連結最終損益は29億円の赤字(前の期は13億円の黒字)となった。創業者で19年10月に会長に復帰した渡辺美樹氏に業界の展望と今後の戦略を聞いた。

──居酒屋業界の将来をどう見ていますか。

「マーケットが7割くらいになるという感覚は持っている。大皿でみんなでわいわいといった居酒屋の本質を否定された。ワクチンができても7割にしか戻らないという前提だ。地域の1番店しか残らず、他は淘汰される段階に来ている」

──ワタミの居酒屋はどうなるのでしょうか。

「今ある約500店のうち、3割にあたる150店はなくなると覚悟している。3月中ごろ、営業利益率が5%以下の店を閉める検討を始めた。これが先日発表した前期決算で減損損失を計上した65店だ。周辺に競合が増えるなどして収益力が落ちており、コロナ後はどう工夫しても利益は出ないと判断した」

「撤退候補だが決断していない数十店は、大家さんとの交渉次第だ。家賃を3割下げてもらえないかとお願いしているが、うまくいかなければ撤退する」

渡辺会長は「居酒屋は地域の1番店しか残らない」と語る

渡辺会長は「居酒屋は地域の1番店しか残らない」と語る

──居酒屋事業で利益は出ますか。

「売り上げが7割でも利益が出るよう、メニューと仕入れ、オペレーションを全部見直す。残る店舗の家賃交渉に成功すれば損益分岐点は低くなる。その上で、例えばメニューを80種類から50種類まで絞る。世界中にある食材の調達先で調理を複数工程済ませて、国内での作業を減らす。10月までにやる」

──撤退した店舗の社員の雇用は守れますか。

「守るために既に2つのことをした。1つは宅食や農業事業に4月から出向させた。スーパーと提携して人を送り込み、設立した人材派遣会社を通して人手不足の他の産業で働いてもらう。出向した社員もコロナ前と同じ給料をワタミが保証している。大赤字だよ」

「それでも、もたないので、新事業を始める。テークアウトとデリバリー、ファミリーの3事業だ。テークアウト『から揚げの天才』と韓国風フライドチキンの店をフランチャイズ方式で展開する。から揚げ店は6月と7月に24店舗出すことが決まっており、年内の出店数は合計50店を見込む」

「ファミリー向けに和牛の焼肉店を出す。提携した鹿児島の牧場から仕入れた食べ放題の店だ。省人化し、回転ずしのような特急レーンで料理を運ぶ。必要なホール要員は最大4人だ。年内に4店の出店が決まり将来的には国内300店を目指す。出向している社員はここに戻ってきてもらう」

──競合も多いのでは。

「他社に模倣されるだろう。ただ、日本有数の牧場と提携して、大量の和牛を押さえた。他社は同じ質、同じ規模で展開できない。しばらく新型コロナの影響はあるが、換気・非接触を徹底した店舗設計にする」

「居酒屋への思い入れは強いが、マーケットが1地域1店しか許容しないなら、その規模に合わせるしかない。『鳥メロ』も『ミライザカ』もそう長くは名前は残らないと思う。時代に合わせて店を作るのみだ」

──今後の見通しは。

「秋頃に通期見通しを出したい。中期経営計画で掲げた22年3月期に営業利益30億円という計画をぶらす考えはない」

(聞き手は田中嵩之)

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