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新型コロナ、抗体医薬の治験開始 予防薬として開発も

新型コロナウイルス感染症患者の中和抗体を基に抗体医薬が開発されている=ロイター
日経バイオテク

米製薬大手イーライリリーは、カナダのアブセレラ・バイオロジクスと共同で新型コロナウイルス感染症治療薬として開発している抗体医薬の臨床試験(治験)を開始したと1日に発表した。初めて人に投与する第1相臨床試験で、米ニューヨーク大学グロスマン医学部病院や米ロサンゼルスのシーダーズ・サイナイ病院などで行われている。入院患者を対象とし、開発中の抗体医薬またはプラセボ(偽薬)を投与して安全性などを評価する。

また、両社は予防効果の検討も計画している。対象としては、ワクチンが適応にならない、感染リスクまたは重症化のリスクが高い人々を想定している。

この抗体医薬は、新型コロナウイルスの表面にある突起状のスパイクたんぱく質を認識する「IgG1モノクローナル抗体」で、ウイルスの人の細胞への結合と侵入を阻害することにより、ウイルス本来の作用を失わせる中和活性を発揮する。アブセレラと米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のワクチン研究センターが、米国において新型コロナウイルス感染症が報告され始めた頃に発症し、その後回復した1人の患者の血液中から見つかったウイルス感染を防ぐ中和抗体を基に作製している。

6月末には、最初に投与された患者グループのデータを分析し、好ましい結果であれば対象患者を増やし、有効性評価を目的とする臨床試験を開始する計画だ。この段階では、自宅隔離を指示された軽症患者も対象に含めることになっている。

患者の治療結果に改善をもたらせることが確認されれば、2020年末までに量産を目指すという。

イーライリリーは他にも中和抗体を開発しており、それらについても今後数カ月のうちに臨床試験を開始したいと考えている。有用な抗体医薬が複数得られれば、個々の抗体による単剤治療に加えて、複数の抗体を併用する治療についても検討する予定だという。

(ライター 大西淳子)

[日経バイオテクオンライン 2020年6月9日掲載]

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