英BP、世界で1万人削減 石油需要の低迷で
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【ロンドン=篠崎健太】英石油大手BPは8日、世界の全従業員の15%近くにあたる1万人を削減すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大で深刻になった石油の需要低迷を受け、経費のさらなる圧縮へ人員整理に踏み込む。原油相場は4月後半を底に持ち直しつつあるが、化石燃料から再生可能エネルギーへの長期の構造転換もにらみ、スリム化を急ぐ。
バーナード・ルーニー最高経営責任者(CEO)が同日、世界の社員約7万人にウェブ会議や電子メールで方針を伝えた。人員削減の内訳は明らかにしていないが、主にオフィス勤務者が対象で、大部分は年内に行うという。職位の高い従業員がリストラの影響をより大きく受ける見通しだ。業績に応じて支給する現金賞与も年内は見送る。
ルーニー氏は「原油価格は損益分岐点をはるかに下回る水準に落ち込んだ」と述べた。すでに設備投資の25%圧縮や経費全般の削減に動いているが、年間80億ドル(約8600億円)にのぼる人件費にも切り込まざるを得ないと説明した。新型コロナのまん延後に表明された石油業界のリストラでは最大級になる。
BPは9月14~16日に予定する投資家向けイベントで、収益の立て直しや低炭素化に向けた中長期戦略と具体策を示すことにしている。

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