NEC社長、コロナで「タッチレスが当たり前に」

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デジタルサミット
2020/6/8 17:56
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次世代通信規格「5G」などのデジタル技術による変革を議論する「世界デジタルサミット2020」(日本経済新聞社主催)は8日夕、初日の全日程が終了した。午後の講演では、あらゆる産業が5Gや人工知能(AI)を活用し、遠隔や非接触の技術が急速に広がるとの指摘が相次いだ。

新型コロナでAIによる非接触の技術が普及するとみるのが、NECの新野隆社長だ。顔や目の虹彩認証を組み合わせて識別の精度を高めたり、マスクをしたままでも個人を特定できたりする生体認証技術などを開発している。本社ビルの店舗では生体認証で、自動的な決済の実験を進め「タッチレスが当たり前になる」という。また特定の敷地内で扱う「ローカル5G」では、大林組と建設現場での機械の遠隔制御などを試している。

NTTの澤田純社長は「新型コロナは一過性ではない。在宅勤務のほか、遠隔での医療、教育、農業などが定着する。生産性向上との両立がポイントで支援する」と述べた。人や物、資金の自由な移動を促すグローバル化は「新型コロナが分断を加速させ、変質する。サプライチェーンの国内回帰、エネルギーの自立も重要だ」と強調した。NTTグループの電力使用量に占める再生可能エネルギーの割合を4.5%から、30年度に30%以上に高める。

すでに大きな変化も起きている。外出制限を受け、ビデオ会議サービス「Zoom」の世界での利用者は急増し、4月には1日当たりの会議参加者が最大3億人に達したという。米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズのエリック・ユアン最高経営責任者(CEO)は「ビデオ会議は対面よりも便利になる。AIと組み合わせれば、瞬時の自動翻訳もできる」とした上で、「ビデオ会議でオフィスは不要になる」と予測した。

デジタル化の急速な広がりは膨大なデータを生み、計算の処理能力の向上が課題となる。日本IBMの山口明夫社長は「量子コンピューターの開発で世界を支える必要が出てきた」と説明する。米IBMが電気自動車(EV)の電池開発、金融リスクの低減などに次世代の高速計算機である量子コンピューターを応用する事例を紹介した。

パネル討論には楽天モバイルのタレック・アミン副社長などが参加し、5Gのビジネスについて議論した。総務省の新世代移動通信システム推進室の五十嵐大和室長は「通信業界だけではなく、ほかの領域のパートナーと組んで、稼ぐべきだ」と述べた。

楽天モバイルのアミン副社長は5Gの普及を前提に「コロナ後はスポーツも、バーチャルとリアルの組み合わせになる」と述べた。通信ネットワークにクラウドを使った「仮想化」と呼ぶ技術を全面的に採用し、「日本で品質が認められれば、世界でも通用する」とし、ネットワーク技術の海外輸出に意欲を示した。

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