マレーシア航空会長に国営石油社長 政府、関与強める

2020/6/8 16:30
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【シンガポール=中野貴司】マレーシアのムヒディン首相は、国の傘下で経営再建中のマレーシア航空の会長に、国営石油会社ペトロナスのワン・ズルキフリ社長兼最高経営責任者(CEO)を任命すると発表した。マレーシア航空は世界的な航空需要の低迷で経営が一段と悪化しており、政府が経営への関与をさらに強める。

マレーシア航空会長に7月に就任するワン・ズルキフリ氏=ロイター

ワン・ズルキフリ氏は7月1日にマレーシア航空会長に就任し、パイロット出身のイザム・イスマイルCEOと二人三脚で経営再建を進める。首相は声明で「彼の経営手腕によって、マレーシア航空が国を代表する航空会社として変革を遂げ、持続的に成長すると信じている」と述べた。

マレーシア航空は2014年の機体消息不明事件やウクライナでの撃墜事件を受けて客離れが急速に進み、同年8月に国営投資会社のカザナ・ナショナルが完全国有化を決めた。外部からトップを迎え経営再建をはかったが、自力では赤字から脱却できなかった。外資の出資による再建を模索してきたが、新型コロナウイルスの感染拡大で世界の航空会社が大打撃を受け、スポンサーの選定作業も暗礁に乗り上げていた。

国営企業のCEOを横滑りさせる今回の人事は、国主導で早期の経営再建を目指す政府の意向を示す。ただ、マレーシアは今も国境を事実上封鎖しており、国内外の出張や観光需要が回復する時期は見通せない。当面はコスト削減と効率化によって、赤字幅をできるだけ抑えることが経営の主眼となる。

ワン・ズルキフリ氏はペトロナスに1983年に入社し、15年4月から社長兼CEOを務めている。原油価格が大きく変動する中で事業のグローバル化やコスト削減を進め、経営の安定につなげた。ペトロナスの後任社長兼CEOには7月1日付で、ムハマド・タウフィック副社長兼最高財務責任者(CFO)が内部昇格する。

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