/

コロナ禍からの復興の一助に スポーツに新たな可能性

マセソン美季

カナダはスポーツ団体などに大規模な資金提供を決めた(リオ五輪レスリング女子75キロ級金メダリストのエリカ・ウィーブ選手)=ロイター

カナダ政府は5月8日、コロナ禍の影響を受けているアマチュアスポーツ団体や研究機関へ7200万カナダドル(約58億円)、文化芸術には1億9830万カナダドル(約159億円)を救済資金として提供すると発表した。

続いて6月1日、カナダのオリンピック委員会とパラリンピック委員会、強化戦略の策定と検証、そして予算を差配する組織「オウン・ザ・ポディウム」が、トップスポーツの段階的な再開に向けた構想と、500万カナダドル(約4億円)の助成を発表した。

この決定に、来年の東京大会を目指すアスリートらは「長いトンネルの先にようやく希望の光が見えた」と、不安と興奮が入り交じる喜びを表している。

スポーツ活動再開のためのガイドラインも発表された。新しい生活様式の中で、スポーツに関わるすべての人たちが安全で健康的に活動できるよう、医療専門家らの助言をもとに環境整備が進められることになる。

米国との国境は原則閉鎖されたままの状態が続いている。州によっては、緊急事態宣言が解除されていない地域もある。スポーツ復活の扉が開かれても、これから長い道のりが待っている。だがコミュニティーを強化、再構築する上で、スポーツは極めて重要なツールである。そう政府が認識しているからこそ、大規模な支援の提供につながったのだろう。

アスリートたちに話を聞くと、「コロナ禍からの復興の一助となり、スポーツの力でその責任を果たす重要な役割がある」「あらゆる人たちがスポーツ活動に復帰できるよう、安全な移行の道標にならなければいけない」という声があった。彼らには、これまでとは違う重責がのしかかっていると感じた。

ウイルスは誰も差別しない。社会的地位も、経済力も、名声も関係ない。この敵は、お金では買えないものや、見えないものの大切さに気づかせてくれた。新しい価値観が生まれ、豊かさが再定義されたのではないだろうか。

関わり方が変わることで、スポーツにも新たな可能性が開花するだろう。今まで以上にスポーツから目が離せない。

マセソン美季
 1973年生まれ。大学1年時に交通事故で車いす生活に。98年長野パラリンピックのアイススレッジ・スピードレースで金メダル3個、銀メダル1個を獲得。カナダのアイススレッジホッケー選手と結婚し、カナダ在住。2016年から日本財団パラリンピックサポートセンター勤務。国際パラリンピック委員会(IPC)教育委員も務める。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン