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NZ、行動規制を解除 世界に先駆け生活正常化

【シドニー=松本史】ニュージーランド(NZ)政府は8日、新型コロナウイルスの感染抑制のため導入していた行動規制を解除すると発表した。8日午後11時59分(日本時間同日午後8時59分)から屋内外での集まりの人数制限やソーシャルディスタンス(社会的距離)規制を撤廃し、世界に先駆けて市民生活や経済活動をほぼ正常化させた。第2波対策として、1日2千~3千件規模の検査体制は続け、外国人の入国禁止も継続する。

アーダーン首相が記者会見した。同国は厳しい行動規制で感染を封じ込め、国内で確認される感染者は8日時点でゼロとなった。4段階に分けているレベル別規制を最も低いレベル1に引き下げた。従来は集会やイベントの参加人数を100人以内までとするなど一定の制限を課していた。

NZのこれまでの新型コロナ感染者数(疑い事例含む)は累計1504人、死者は22人だった。8日時点で新規感染者がゼロの日が17日間続く。

カギは先手を打った厳しい対策と感染者把握のための検査だ。NZは国内の感染者がゼロだった2月初旬時点で、中国からの外国人の入国を禁止した。3月25日には国家非常事態を宣言し、医療サービス従事者など一部を除きすべての人の外出を制限する厳しい都市封鎖(ロックダウン)に踏み切った。「封鎖中、NZで(市民の外出などの)活動は91%減少した」(アーダーン氏)という。感染の有無を調べる検査も徹底した。

オタゴ大(NZ)のマイケル・ベーカー教授(公衆衛生)は「(感染症封じ込めには)ウイルス除去に向けた戦略を早期に策定し、実行することが重要だ」と指摘する。

第2波への備えは続ける。新規感染がゼロ人となった6月以降もPCR検査を1日2千~3千件実施している。海外からのウイルス流入を防ぐため、警戒度を引き下げた後も外国人の入国禁止は継続する。

厳しい規制を敷く中で、フェイスブックなどSNS(交流サイト)によって国民にメッセージを発信したアーダーン氏の支持率は上昇している。調査会社のコルマー・ブラントンが5月16~20日に実施した世論調査では「好ましい首相」としてアーダーン氏を挙げた人は63%と、2月から21ポイント上昇した。9月に総選挙を控えるアーダーン氏に大きな追い風となる。

今後の課題は経済対策だ。NZのロバートソン財務相は5月、今年度(2019年7月~20年6月)の実質経済成長率が4.6%減になり、1~3月期に4.2%だった失業率は7~9月期に9.8%まで上昇するとの見通しを示した。入国禁止が続けば観光業に加え留学生を受け入れる教育産業にも打撃は大きい。

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