中国、輸出・輸入とも減少 5月、内外需が弱含み

貿易摩擦
2020/6/7 15:48
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【北京=原田逸策】中国税関総署が7日発表した2020年5月の貿易統計(ドル建て)によると、輸出額は前年同月比3%減の2068億ドル(約22兆5千億円)、輸入額は同17%減の1438億ドルだった。輸出と輸入がそろって前年割れだった。内需、外需ともに弱含んでおり、中国経済の回復の足かせになる。

輸出から輸入を引いた貿易収支は629億ドルの黒字だった。黒字額は前年同月比51%拡大した。

輸出が前年同月の水準を下回るのは3月以来、2カ月ぶり。主な輸出先では米国や東南アジア諸国連合(ASEAN)、韓国などが4月の増加から5月は減少に転じた。衣服、靴、家具など労働集約型の商品の輸出が大幅に減った。自動車部品の輸出も低迷した。

もっとも減少幅は市場予想(6~7%減)より小さかった。背景にはマスクとパソコンの輸出がある。マスクを含む織物の輸出は前年同月比77%増の206億ドル、パソコンは同48%増の195億ドルに急増した。いずれも単月の輸出額としては過去最高だった。マスクとパソコンだけで輸出を前年同月と比べて153億ドル押し上げた。

輸出先では欧州連合(EU)向けが英国離脱の影響を除くと前年同月比14%増えた。ドイツやフランス向けは3割弱も伸びた。マスクなど医療用品の輸出が好調だったとみられる。日本向けも同11%増と好調を維持した。マスクに加え、日本では在宅勤務でパソコンの需要が拡大している。

一方、輸入の減少幅はは4月(14%減)よりも拡大し、市場予想(8%減)を上回った。1つの原因は原油の輸入単価が前年同月より6割も値下がりしたことだ。原油輸入は量を19%増やしたのに金額は55%減った。原油だけで116億ドルも輸入を押し下げたが、原油以外の輸入をみても前年同月より11%も減った。

EU、米国、韓国など主な輸入先がいずれも2桁の減少率だった。最大の輸入品目である半導体は前年同月比11%増えたが、飛行機(65%減)、自動車(60%減)、自動車部品(24%減)、木材(33%減)、紙パルプ(28%減)など幅広い商品の輸入が大幅に減った。

輸出、輸入とも先行きは楽観できない。5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)でも、海外の新規受注の指数は35.3と拡大・縮小の節目である「50」を大きく下回った。同指数は輸出の先行指標とされ、いずれは輸出額も落ちこむ恐れがある。PMIの輸入指数も低迷する。

同調査で企業が直面する課題を聞くと「需要不足」と答えた企業の割合は50%を超え、比率が最も高かった。中国経済は生産主導で回復してきたが、需要不足により回復ペースが緩やかになる可能性がある。

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