ブラジル大統領、WHOからの脱退を示唆

【サンパウロ=外山尚之】ブラジルのボルソナロ大統領は5日、「世界保健機関(WHO)がイデオロギー的なバイアス抜きで働くか、それとも我々が(米国と)同様に脱退するかだ」と述べた。WHOからの撤退を宣言した米国のトランプ大統領に続く意向を示唆した形だ。ボルソナロ氏は親米で、過去には対中警戒論を公言していた。
ボルソナロ氏は「トランプ氏は補助金を削減した」と述べたほか、「米国はWHOから去った。我々も将来、検討すべきだ」とも発言した。ブラジルは新型コロナウイルスの感染拡大が続き、感染者数は米国に続く水準だが、ボルソナロ氏はWHOの推奨する社会隔離政策やマスクの着用に反対している。
ボルソナロ氏は親米を公言しており、今回の発言もこうした流れに沿ったものとみられる。一方、トランプ氏はブラジルに対して冷淡だ。トランプ氏は5日、「ブラジルを見よ、彼らは非常に厳しい状況だ」と述べ、ブラジルが新型コロナ対策で失敗したとの見方を示した。