NYダウ一時1000ドル高 米雇用、予想外の改善で

2020/6/6 0:39 (2020/6/6 1:09更新)
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ニューヨーク証券取引所前=AP

ニューヨーク証券取引所前=AP

【ニューヨーク=後藤達也】5日のニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均の上昇幅が一時1000ドルを超えた。米東部時間午前11時30分(日本時間6日午前0時30分)すぎに前日比1000ドルあまり高い2万7300ドル程度を付けた。ナスダック総合指数は2月に付けた史上最高値を一時上回った。5日朝発表の米雇用統計が市場予想に反し、雇用者数が増加したことを好感。経済対策への期待も根強く、株高が勢いづいている。

米雇用統計は事前の市場予想では前月比800万人程度の減少が見込まれていた。失業率は4月の14.7%から20%近くへの上昇が見込まれていたが、実際は13.3%へと低下した。経済の回復が想定よりも早いとの見方から、株を買う動きが一気に強まった。

トランプ米大統領は記者会見し、雇用の回復を「歴史上、米国で最大のカムバック」だと成果を強調。経済対策を推し進めるとともに、株価はさらに上昇するとの見通しも示した。ペンス副大統領は米CNBCで景気回復へ「政府は必要な対策をとっていく」と述べた。

個別銘柄では新型コロナウイルスの影響を強く受けた銘柄ほど大きく上昇している。エネルギー会社のオキシデンタル・ペトロリアムやクルーズ船運営のカーニバルは一時20%以上上昇した。アメリカン航空やボーイングも18%前後の大幅高となった。金融株の上昇も目立っている。

米国株の下落への警戒感を映すVIX(恐怖指数)は23台と約2カ月半ぶりの低さとなった。財政出動や米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和で市場のマネーは潤沢なため、投資家の間で悲観論は薄れている。11月に大統領選を控えており、市場では強力な経済対策は続けられるとの見方が多い。

株式以外の市場でも投資家心理は改善している。米10年物国債の利回りは0.9%台に上昇し、円相場は1ドル=109円70銭台と約2カ月ぶりの円安・ドル高水準となった。ニューヨーク原油先物期近物は1バレル39ドル台に上昇した。

ただ世界では新型コロナの感染は拡大している。米国でも経済再開により南部などで新規感染が増えている。全米の人種差別抗議デモで感染が急拡大するとの懸念も出ている。11月の米大統領選後の政策運営も不透明だ。景気に対して、株高が急ピッチなため、株価がさらに上昇するかは見方が分かれている。

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