英・EU交渉、また「進展なし」 交渉継続では一致

2020/6/5 23:58 (2020/6/6 0:07更新)
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バルニエ首席交渉官は、英との交渉の延長の議論を歓迎する姿勢を示した(ロイター)

バルニエ首席交渉官は、英との交渉の延長の議論を歓迎する姿勢を示した(ロイター)

【ロンドン=中島裕介】欧州連合(EU)を離脱した英国とEUは5日、自由貿易協定(FTA)など将来関係を巡る第4回交渉を終え、両者とも引き続き目立った進展はなかったと公表した。膠着の打開に向けて交渉を継続することでは一致し、6月中の首脳級会合の開催に向けて調整に入る。2020年末までの移行期間を延長し、交渉を続けるかどうかの判断期限は今月末で、決裂のリスクはなお消えない状況だ。

第4回交渉は2日から4日間、テレビ会議で行われた。EUのバルニエ首席交渉官は5日の交渉後の記者会見で「英国は全ての分野で逆戻りしている」と批判した。英側が「公正な競争の確保」や「漁業」といった主要な争点で、双方で離脱の際に取り決めた「政治宣言」での約束を守っていないと訴えた。

一方で英側が拒否している21年以降への交渉の延長について、バルニエ氏は「常にオープンだ」と語った。新型コロナウイルスの影響を受けるEU経済に、さらにFTAなしでの離脱による経済の混乱で追い打ちをかけるのは避けたい考えだ。

一方、英国で交渉を率いるフロスト首相顧問は「進展は限られているが協議は継続し、交渉成功に向け努力し続ける」とコメントした。英政府の交渉筋は事態の打開に向けて「より集中的なプロセスが必要だ」と述べ、月内に予定される首脳級会合に期待を示した。会合にはジョンソン英首相とEUのフォンデアライエン欧州委員長が参加するとみられる。ただ主要な争点で溝が残ったままの会合で、交渉が進展するかは不透明だ。

交渉は激変緩和のために英国がEUに残っているように扱われる20年末までの「移行期間」のうちに、現状の関税ゼロに近いFTAを結べるかが焦点だ。決裂してFTAなしの離脱となれば、急に関税などが生じ双方の経済活動に影響が及ぶ。

両者は「全品目の数量無制限での関税ゼロ」をめざす点では一致している。だが英国の税制や政府補助金などの産業政策を今後もEUルールに合わせるかどうかや、英海域でのEU加盟国の漁業権の扱いなどをめぐって対立が続く。

英・EUで結んだ離脱協定は6月末までの両者の同意があれば、移行期間を最長2年延ばすことを認めている。ただ主権の早期回復にこだわる英政府は2月末に出した交渉方針で、6月中に進展が得られなければ「FTAなし」の結論も辞さないとの立場を示している。

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