19年の出生率、1都3県とも低下 東京は全国最低

2020/6/5 16:43
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1人の女性が一生のあいだに産む子どもの数を示す合計特殊出生率が首都圏の1都3県で一段と下がった。厚生労働省が5日発表した2019年の人口動態統計(概数値)によると、1都3県は軒並み低下し、いずれも全国平均(1.36)を下回った。首都圏の自治体は出産や子育ての支援体制を拡充しているが、少子化に歯止めを掛けるには至っていない。

都県別にみると、東京都は18年(確定値)に比べて0.05ポイント低い1.15と都道府県で最低。神奈川県は0.05ポイント低下の1.28、千葉県が0.06ポイント低下の1.28、埼玉県も0.07ポイント低下の1.27だった。出生数は1都3県すべてで18年を下回り、合計で5%減の約25万3千人だった。

1都3県での少子化の原因の一つとみられるのが、女性の初婚年齢が全国平均(29.6歳)に比べてやや高い点だ。30歳代だったのは都道府県で東京(30.5歳)、神奈川(30.0歳)だけだった。

日本の人口を将来にわたって維持するには、出生率は2.07が必要とされる。首都圏の自治体は出生率の回復を目指し、妊娠や出産、子育ての支援策を一段と拡大している。

千葉市は20年度から、妊娠しながら流産を繰り返す「不育症」の検査費用を助成する。不育症治療は保険適用外のケースも多く経済的負担も重いことから、市が治療費の半分、最大10万円を負担する。不妊症対策の一環として、働く女性がいつでも問い合わせができるよう夜間の相談窓口も設ける予定だ。

出産直後は子育てに不安を抱える保護者も少なくない。さいたま市は出産直後に子育て相談をする「産後ケア」で、10月から母親が医療機関などで宿泊や日帰りのサービスを受けられるようにする。従来は自宅への訪問型ケアだけだったが、支援体制を拡充して産後うつや児童虐待の防止につなげる。

家族のサポートが受けられない生後4カ月未満の乳児を抱える母親が対象で「母親の休息の場としても活用してもらいたい」(地域保健支援課)という。

一方、施設型の産後ケアに取り組んできた神奈川県横須賀市は9月から訪問型ケアを新たに始める方針だ。「産後ケアに対応する施設は市内3カ所のみで、子連れで出向くのは不便なケースもある」(こども育成部)。年間320件程度の利用を見込む。

都は市区町村を通じカタログギフトなどを配布(練馬区提供)

都は市区町村を通じカタログギフトなどを配布(練馬区提供)

妊娠や出産、子育てまで長期的なサポートに力を入れる動きも広がっている。東京都は「とうきょうママパパ応援事業」と銘打ち、市区町村を通じて育児用品などのギフト券を配布するほか、子どもの多い世帯を対象に家事サポーターを派遣。千葉県も助産師らが相談にあたる「子育て世代包括支援センター」を24年度までに全自治体に設置する目標を定め、切れ目のない支援体制づくりを進める。

新型コロナウイルスの影響で経済活動や社会生活が制限され、出産や子育てへの不安が高まるおそれもある。東京都は助産師との対面相談を希望する妊産婦のため、ウェブ会議システムを利用したオンライン相談を始めた。妊産婦の不安を和らげ、安心して出産できる環境を整える。

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