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違法ダウンロード、分量・画質規制に線引き

改正著作権法が成立

漫画などの海賊版対策を強化する改正著作権法は5日、参院本会議で成立した。インターネット上に無断で公開された全著作物を対象に、違法だと知りながらダウンロードする行為を規制し、悪質な場合は刑事罰を科す。一方、「特別な事情がある場合」や「軽微な場合」は規制しない。文化庁は今後、違法性の線引きを示す「Q&A」を学校など向けに作成する。

施行日は2021年1月1日。海賊版サイトに誘導する「リーチサイト」の運営も違法とし、この規定は20年10月1日から施行する。

違法ダウンロードの規制対象はこれまで音楽と映像のみだった。改正により漫画や書籍、新聞、論文、コンピュータープログラムなど全著作物に広がった。

二次創作(パロディー)は除外した。対象外となる「特別な事情がある場合」は、詐欺事件の被害者救済団体が無断でアップロードされた詐欺集団のマニュアルをダウンロードすることなどを想定している。

スマートフォンでスクリーンショット(画面保存)した場合の写り込みや、数十ページの漫画のうちの1~数コマ、長文記事の1~数行のダウンロードも「軽微な場合」として規制しない。低画質のものも対象から外れる。

一方、漫画1話の半分程度や4コマ漫画の1コマ、記事の半分程度のダウンロードは違法となる。文化庁はこうした線引きを指針としてまとめているが、より分かりやすいQ&Aを学校現場や一般向けに作る方針だ。

分量や画質などを基準に細かい線引きを設けた背景には、漫画家や有識者らの間で一律規制に対し「ネット利用を萎縮させる」などの懸念が強かったためだ。政府は「漫画村」(18年4月に閉鎖)などの海賊版サイトで著作権侵害が相次いだことから、海賊版と知りながら保存・閲覧する行為の規制を強化すべきだとの声の高まりも受け改正に動いた。

政府は19年通常国会で改正案の提出を目指していた。当初の案はスクリーンショットを含む全てのダウンロードが規制対象だったが、表現活動の萎縮につながるとして見送った。文化庁が設置した有識者らによる検討会では「ほとんどの人が『明らかに悪い』というものに絞るべきだ」との意見が多数を占めた。

改正法の規制対象はファイルを端末に保存してから閲覧する「ダウンロード」型で、議論の契機となった漫画村のような受信しながら閲覧する「ストリーミング」型は外れる。実効性に疑問の声があるが、文化庁は「ダウンロードする人が多いからアップロードを助長する」と指摘。今回の改正法を契機に海賊版サイトの運営に歯止めをかける狙いがあるとした。

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