コロナ禍と若者たち 俳優・林遣都が1人3役演じる
フジ系で「ソーシャルディスタンスドラマ」

文化往来
2020/6/11 2:00
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ドラマ「世界は3で出来ている」の場面

ドラマ「世界は3で出来ている」の場面

密閉、密集、密接のいわゆる「3密」を避け、社会的距離を保ちながら、いかに面白いテレビドラマを作るか。フジテレビ系「世界は3で出来ている」(11日午後11時)は、そんな課題に挑戦したドラマだ。ビデオ会議システムを使ったリモートで打ち合わせを行い、撮影中のセットにいるのは1人3役を演じる俳優の林遣都とカメラマンだけ。同局では「ソーシャルディスタンスドラマ」と称している。

商事会社に勤務する勇人、会計士の泰斗、茨城で農園を経営する三雄という29歳の三つ子が主人公だ。勇人は子どものころからお調子者で、亡父のコネで入った会社ではすっかりさえないサラリーマンに。新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務やオンライン会議など仕事環境が一変した勇人を心配し、泰斗と三雄が勇人の引っ越したばかりの家に訪ねてくる。コロナ禍に直面した若者たちの今を切り取ったような物語だ。

ドラマ「世界は3で出来ている」のプロデュースと演出を担当した中江功氏

ドラマ「世界は3で出来ている」のプロデュースと演出を担当した中江功氏

NHK連続テレビ小説「スカーレット」などで知られる水橋文美江が脚本を執筆し、プロデュースと演出はフジテレビの中江功ゼネラルディレクターが担当した。映画や演劇、テレビドラマの世界でもリモート制作の作品を発表する動きが広がっておりそれらに「刺激を受けた」と中江氏は語る。

中編の単発ドラマ、しかも出演者は一人だけということもあり、脚本に書かれた場面の順番通りに撮影した。事前にスタッフが俳優の立ち位置を決めたり、照明を調整したりするが、いざ撮影が始まればセット内は俳優とカメラマンだけ。撮影現場のスタッフの総勢もいつもの3分の1以下だったという。

これまでとは異なる制作方法だが、中江氏は「意外に面白くできた」と手応えを語る。「1人3役ということで、1人の俳優のいろいろな側面を見ることができたし、細かいことを言わずのびのびと演じてもらった」と振り返る。あくまで「内容のあるドラマ、普通のドラマとして面白いものを作りたいと思った」といい、「こんな状況でもドラマを作ることができることをみせたい」と力を込める。

(関原のり子)

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