年収減は「挑む」、年収増は「抗する」 節約は続く
節約について考える(3)

Life is MONEY
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2020/6/15 2:00
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写真はイメージ=PIXTA

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今月の「Life is MONEY」のテーマは人生を通じた最重要事といってもおかしくない「節約」についてです。

あなたの年収は人生を通じて一定ではありません。だとすれば、人生において必要なのは「年収が増えたとき」「年収が下がったとき」それぞれに応じて、節約も対応していくことです。

案外、指摘されない「年収増減と節約のバランス」というテーマを今週は考えてみます。もしかすると新型コロナが経済に悪影響を及ぼし始めているいまは「年収減」と節約を真剣に考える時期かもしれません。

~年収減こそ節約スキルが真価を発揮~

いま、年収が減っている人も多いと思います。まったく仕事に出られなくなったため、収入が大幅減少になっている人にとっては節約は喫緊の課題です。

仕事は続けられていても残業代ゼロになって月数万円の収入減少が生じている人もいます。今までの家計がほぼトントンであった場合、これもけっこう切実です。無収入とはいかなくても、いきなり赤字転落になっている家庭も相当あるはずです。

新型コロナの経済対策として実施されている「特別定額給付金」は大きな助けとなるものの、やはり一時しのぎにすぎません。「年収が下がった」状態が続くのであれば「支出も下がった」状態をキープし、家計のバランスを取る必要があります。

やはりここで重要になるのも節約ということになります。

あなたのこの数カ月の収入の推移をまずは確認してみましょう。それが今あなたが考えるべき節約の目標額ということになります。

~苦しいときこそ、節約スキルが身につく~

いまは大変な時期です。家計の節約に苦しむ人もたくさんいるでしょう。しかし、いま学んだ経験とノウハウは、あなたの一生の財産となるかもしれません。

私も20歳代のころ、どうしようもなく家計が苦しくて、徹底的に節約をしたことがあります。当たり前と考えていた出費を全部止めてみました。酒も飲まず、質素な食事で、ゲームもマンガも雑誌も買わず、とにかく生活費を下げて数カ月暮らしてみたのです。

そこでわかったのは「これ以上は無理だな」と平時に思っているラインは、緊急時にはまだ下げる余地があるということです。もちろんそれをずっと続けるのは困難ですが、一度「ここまでは下げられる、究極の節約状況」を知ってみるのは有意義です。

特に若い人ほど「なんとなくいつも余裕がない」と思っている家計について「本当に削れないのはどこなのか」を見極めるにはいまがいいチャンスです。

そして、苦しいときだからこそ「これは削れない支出」も見えてきます。食費や通信費にはどうしても必ずかかる金額がありますし、趣味や娯楽のためにこれだけは欲しいという金額もあるでしょう。

年収が下がっているときこそ、自分の家計と向き合ってみてほしいと思います(具体的なノウハウはまた来週考えます)。

~年収が増えたときも節約を忘れない~

ところで、年収が増えるときも、実は節約と向き合う必要があります。社内での昇格・昇給、転職に伴う年収アップなど、いずれもうれしいイベントですが、要注意です。

なぜなら、年収が増えると私たちは「同水準の支出アップ」になりがちだからです。貯金できない世帯の言い訳に「年収が増えたらためます」というものがありますが、まず実現しません。なぜなら年収が増えたら今まで抑制していた支出が必ず増えてしまうからです。

ワンルームマンションに住んでいた人が1LDKの部屋に越せば、それ以外の支出は何ひとつ変えなかったとしても生活コストはアップします。転職した企業に合わせていいスーツやいい靴を買い、高いランチを一緒にすれば、年収が増えても支出も増大します。

実は年収アップのときこそ、節約を心がける必要があります。

一方で、「支出が増えたので、年収をその分増やす」という逆の手順はなかなか成立しません。年収は私たちの都合で増えることはあまりありません。例えば、子どもが入学したから学費相当分、年収を100万円増やすということは難しいわけです(無収入だった専業主婦がパートに出る場合を除く)。

ただし年収アップ時の節約は「今の生活をそのまますれば貯蓄ができる」という意味では、年収が下がったときの節約より楽です。少なくとも同じ生活をしていればいいからです。また「年収増の一部は生活向上に回し、残りはためる」というようにバランスを取る方法もあります。

いずれにせよ、年収増のときにも節約を忘れないようにしてください。

~「稼いだより使うお金を少なくする」を徹底~

年収が減ったとき、年収が増えたとき、いずれも共通するのはシンプルなルールです。つまり、「稼いだよりも、使うお金は少なくする」ということです。

年収が減ったときは使うお金も少なくしなければなりません。

年収が増えたときにも、それ以上使うお金を増やしてはいけません。

当たり前すぎるほど当たり前のことをいっているわけですが、実行するのはそれほど簡単ではなかったりします。しかし、あらかじめ意識しておければ節約の力はより高まっていきます。

そして節約がうまくいく人はそのお金をどんどんためて、将来の備えとできます。いま年収減に直面しても落ち着いていられる人がいますが、余裕があったときにしっかり貯蓄をしていた人なのです。

さて、来週は具体的な費目ごとに節約のコツを考えてみたいと思います。

◇  ◇  ◇

FP山崎のLife is MONEY」は毎週月曜日に掲載します。

山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)

フィナンシャル・ウィズダム代表。AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」(日経BP)、「大人になったら知っておきたいマネーハック大全」(フォレスト出版)など。http://financialwisdom.jp

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