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好調際立つ松山、牝馬三冠へ高まる期待

5月24日のオークス(G1、東京芝2400メートル)でデアリングタクト(牝3、栗東・杉山晴紀厩舎)が勝ち、63年ぶり史上2頭目となる無敗での牝馬クラシック2冠を達成した。2020年の活躍が際立つのが、同馬の主戦騎手、松山弘平(30、栗東・フリー)だ。オークスが今年の重賞7勝目。最多勝争いでも4位(47勝、5月31日現在)と上位に付けている。

松山はオークスで優勝するなど牝馬2冠の騎乗も印象的だった=共同

20年の松山は年明けから好調な滑り出しをみせた。サウンドキアラ(牝5、栗東・安達昭夫厩舎)と臨んだ1月5日のG3、京都金杯を勝つと、その後も東海ステークス(G2)、きさらぎ賞(G3)、京都牝馬ステークス(同)と2月終わりまでに重賞で4勝を挙げた。19年までは年間の重賞勝利数が最も多かった年でも2勝だった。わずか2カ月間で自己の記録を更新した。

牝馬2冠を達成したデアリングタクトとのレースも印象深い。桜花賞(G1、阪神芝1600メートル)では最後の直線に入ったところでも後方にいて、前に届くか不安になるような位置だったが、「リズム良く走れれば、いい脚を使うと信じていた。他馬は気にせず、馬のリズムを大事に乗った」と非凡な馬の能力を信頼し、鮮やかな差し切り勝ちにつなげた。

オークスでも道中はライバルに囲まれる厳しい位置に入り、最後の直線では進路が無くなりかけたが、自身のすぐ内側にわずかなスペースを見つけると瞬時に馬を誘導し、抜け出してきた。「馬に助けてもらった」と本人は言うが、馬の能力に加え、松山の的確な判断が牝馬2冠への道を切り開いたといえる。自身、単勝1番人気の馬でのG1騎乗は初。しかも1.6倍という圧倒的な支持を背負う重圧があったことを考えると、冷静な騎乗ぶりは光った。

松山は09年のデビュー。もともと腕の立つ若手有望株ではあったが、今年は一皮むけた印象がある。牝馬2冠でのレースぶりからもわかるが、その時々の状況、馬の特性などをみて最善の対処ができているのだ。

エアアルマス(牡5、栗東・池添学厩舎)とのコンビで勝ったダートの重賞、東海Sが象徴的だった。前の馬が蹴り上げた砂をかぶると嫌がる癖のあるエアアルマスを、砂をかぶらないよう馬群の外側から先行させ、馬の力を十分に発揮させた。スタートを決め、良い位置で運ぶことに「集中した」とはレース後の松山。なすべきことを理解し、実際に結果を出すのは一流騎手の姿といっていい。牝馬三冠達成を目指す秋に向け、松山の騎乗からは目が離せなさそうだ。

(関根慶太郎)

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