米失業保険さらに180万件 雇用に「底入れ」の兆しも

2020/6/4 21:50
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【ワシントン=河浪武史】米労働省が4日発表した失業保険の新規申請件数(季節調整済み)は、5月30日までの1週間で187万7000件となり、前週(212万件)からやや減少した。失業保険を実際に受け取っている「継続受給者数」は、5月初旬をピークに悪化に歯止めがかかりつつあり、経済活動の一部再開で雇用には「底入れ」の兆しもある。

失業保険の申請に並ぶ人々(米アーカンソー州)=ロイター

失業保険の新規申請数は市場予測(180万件)とほぼ変わらなかった。新型コロナウイルスが深刻になった3月半ば以降、申請数は合計で約4200万件となったが、ペースは週600万件を超えた3月下旬に比べ、減速しつつある。

5日には5月の雇用統計を発表するが、失業率は前月(14.7%)からさらに上昇して、20%前後に達しそうだ。1930年代の大恐慌時並みの水準で、米経済は深刻な雇用ショックを迎えている。飲食店や小売店などの低所得者の失職が多く、警官による黒人暴行死の全米での抗議デモの一端は、雇用悪化への不満があるとされる。

もっとも、雇用の悪化には底入れの兆しもある。失業保険を実際に受け取っている「継続受給者」は、5月23日の週に2148万人となり、同9日の週(2491万人)をピークに悪化に歯止めがかかった。一時的に解雇された失業者が、事業再開で再雇用され始めたことを示している。

米民間雇用サービス会社ADPが3日発表した全米雇用リポートでも、5月の非農業部門の雇用者数は前月比276万人減にとどまり、減少幅は前月(1955万人)や市場予測(875万人程度)よりも少なかった。ADPは「雇用の悪化は4月に底を打った」と判断している。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は「失業率の悪化は5月、6月がピーク」とし、7月以降は持ち直しに転じると予測する。それでも、米議会予算局(CBO)の予測では、失業率は10~12月期時点でも11.5%と、2008~09年の金融危機時のピーク(10.0%、09年10月)より高い。感染第2波のリスクも色濃く残り、米労働市場の完全復元には相当の時間がかかりそうだ。

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