コニカミノルタ、ペーパーレス化とコロナの逆風で苦戦

2020/6/4 19:11
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コニカミノルタが新型コロナウイルスの逆風にさらされている。ペーパーレス化で低迷する主力の事務機事業に代わる新規事業の育成に力を注ぐが、コロナの影響は幅広い事業に及ぶ。2020年3月期の連結決算(国際会計基準)は最終損益が30億円の赤字となった。新型コロナの影響は長引くことも予想される。「背水の陣」が続く。

コニカミノルタは事務機に続く収益源を育てることが課題となっている

「販売活動がもっとも活発になる時期にコロナの影響を受けた」。田中亨経理部長は前期の世界的な販売不振を、こう振り返る。事務機を中心としたオフィス事業やヘルスケア事業など、主力4事業すべてで1~3月は前年比減益となった。

日本以外の売上高が8割を占めるコニカミノルタにとって、コロナの世界的な感染は大きな打撃だ。カラー複合機は米国などの都市封鎖(ロックダウン)で販売が減少した。商業印刷を手がけるプロフェッショナルプリント事業は顧客への設置が遅れ、設備投資を抑制する動きも響いた。ヘルスケア事業も国内は堅調だったが、中国では販売の苦戦が目立った。

これらの結果、20年3月期の営業利益は前の期を87%下回る82億円となった。同社はコロナが110億円の減益要因になったとみている。

拡大に力を入れている新規事業では事務機やサーバー、ソフトウエアを一体的に提供するITサービス「ワークプレイスハブ」は提供地域を拡大した。バイオヘルスケア領域では遺伝子検査の件数を増やした。これらの取り組みにより通期で約65億円の増収となったが、営業損益は約177億円の赤字だった。採算改善が今後の課題だ。

そのほかを見れば、産業用材料・機器事業は健闘したともいえる。新たな樹脂フィルムの販売など商品構成の見直しで競争力を高め、1~3月の減収幅を抑えることができた。通期で8%の減益にとどまっている。

全社的な事業環境は今後も厳しい。畑野誠司常務執行役は「4~6月のコロナ影響は1~3月よりも大きくなる」とみる。経済活動の再開に伴って第2波の懸念もある。「予断を許さない状況が続く」(畑野氏)との理由で、21年3月期の業績見通しは未定とした。

主力の事務機事業は、中期的な視点でみれば印刷量が減少することの影響が避けられない。新規事業を育てながら、事務機を軸とした機器やサービスの収益性を高めることが必要だ。リモートワークなどコロナ禍で生まれた新たな勤務形態を、ビジネスにどう生かすか。危機を商機に変える知恵が問われている。

(橋本剛志)

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