箱根の観光客数、19年11%減 火山活動・台風が打撃に

2020/6/4 18:09
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箱根湯本駅前商店街はいまだ人出が少ない(4日)

箱根湯本駅前商店街はいまだ人出が少ない(4日)

神奈川県箱根町は4日、2019年の入り込み観光客数が18年比11%減の1896万人と、4年ぶりの低水準だったと発表した。箱根山の火山活動が活発化して人気観光地「大涌谷」が立ち入り禁止になったことや、大型台風による被害で人気周遊コースを構成する箱根登山鉄道の一部区間が運休したことが響いた。

宿泊客数は同5%減の429万人、日帰り客数は同12%減の1466万人だった。同町観光課は「箱根登山鉄道の一部運休で、お気軽の日帰りが大きく影響を受けた」と説明する。外国人宿泊客数は同3%減の57万人と、東日本大震災があった11年以来8年ぶりに減った。

箱根の観光業は試練続きだ。19年5月には箱根山の噴火警戒レベルが2の「火口周辺規制」に引き上げられ、11月まで大涌谷が立ち入り禁止に。10月には台風19号によって箱根登山鉄道の橋脚が崩壊するなどの被害が発生した。現在も箱根湯本―強羅間が運休しており、全線再開は20年7月下旬になる見通しだ。

足元では新型コロナウイルスの感染拡大も追い打ちをかける。6月4日の箱根湯本駅前商店街は、土産物店や飲食店の半数以上が閉まっており、例年の活気はなかった。観光客もまれにすれ違う程度だ。

ある食品の土産物店は、在庫の賞味期限が近づいてしまい、全商品どれでも3品で1080円の処分セールを実施。手持ち無沙汰そうに店番をする店員は「客足は見ての通り。(人出が)戻ってきてくれればいいが…」と肩を落とした。

箱根町の山口昇士町長は20年の観光客数について「これまでに経験したことのないものになるのではないかと危惧している。新しい生活様式を踏まえた新型コロナウイルス対策を万全にし、多くの観光客が安心して来訪できる観光地を目指していきたい」とコメントした。

町は今後、コロナ後の誘客策として3種の割引券を売る。5000円の宿泊割引券「箱ぴた」(1500枚)は箱根の旅館・ホテル約100施設で1万円分使える。2000円の商品券「箱いこ」(4000セット)は1000円券が5枚つく。1万5000円の「箱根芸者お座敷券」(1200枚)は2万円分になる。大幅な割引を町が負担し、観光業を支える。

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