小池知事「東京五輪を簡素化」 費用削減進める

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて2021年夏へ延期された東京五輪・パラリンピックについて、東京都の小池百合子知事は4日、「国や大会組織委員会と連携して、合理化や簡素化を進めていく」との考えを示した。
大会延期に伴う追加費用は3千億円前後とされ、都や組織委はコスト削減のため式典の簡略化や海外からの来賓の制限などの検討を進めている。小池氏は「国民の共感、理解が必要」と指摘しつつ、費用削減を進めていく姿勢を示した。
また、菅義偉官房長官は同日午前の記者会見で、大会の簡素化に関し、「国際オリンピック委員会(IOC)と組織委を中心に検討が行われていることは承知している」と述べた。「何らかの方針を決定した事実はない」と話した。
菅氏は「アスリートや観客にとって安心、安全な大会にするということも極めて大事だ」と強調した。「引き続き検討状況を注視したい。IOCや組織委、東京などとしっかり連携をしたい」とも語った。
安倍晋三首相はこれまで東京五輪に関し「完全な形で開催したい」と話していた。
東京五輪・パラリンピックは20年夏に開催予定だったが、新型コロナの感染の世界的な拡大を受け今年3月、21年への延期が決まった。
都や組織委は昨年12月、大会の開催経費について約1兆3500億円とする予算計画を公表している。延期に伴う競技会場の借り換えなど多額の追加費用が見込まれることから、都や組織委はIOCとともに、運営計画全体の見直しに着手している。