英中銀、EU通商合意なしへの備え要請 銀行に

英EU離脱
金融最前線
2020/6/4 2:09
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【ロンドン=篠崎健太】英イングランド銀行(中央銀行)は3日、英国と欧州連合(EU)の将来関係を決める交渉をめぐり、銀行に「合意なし」への備えを求める報道機関向けの声明を出した。「合意に至らない可能性は英国の銀行が今後数カ月間で備えなければならない結果の一つだ」と指摘し、何もまとまらずに「移行期間」が年末で終わるシナリオに構えるよう呼びかけた。

英イングランド銀のベイリー総裁(3月、ロンドン)=ロイター

英スカイニューズは同日、ベイリー総裁が英大手銀のトップと2日に電話会議を開き、英・EUの交渉が決裂する事態への準備強化を要請したと報じていた。イングランド銀は日本経済新聞に「私的な会議についてはコメントしない」と回答したが、声明では金融システムが直面しうる全てのリスクに備えるため、英銀と定期的に接触していると説明した。

在英の金融機関は「合意なき離脱」への備えとして、EU側にも拠点を設けるといった危機対応を離脱前に済ませている。ただEU市場への金融サービスを継続するための合意ができなければ、機能や人員の本格的な移転を迫られる見通しだ。英通貨ポンドの下落など金融市場が動揺する可能性もあり、イングランド銀は以前から万全の対応を求めてきた。

英国は1月末にEUを離脱し、年内は激変緩和のための移行期間となっている。この間に自由貿易協定(FTA)などの通商協議をまとめる必要があるが、新型コロナウイルスの感染拡大も響いて交渉は遅れている。ジョンソン政権は移行期間を延長しない構えを崩しておらず、合意なき離脱と似た状況に陥る可能性がくすぶっている。

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