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リビア内戦、ロシア・トルコ介入強める 和平協議「再開」も

北西部のワティーヤ空軍基地を制圧したシラージュ暫定政権側の戦闘員ら(5月18日)=ロイター

【イスタンブール=木寺もも子、モスクワ=石川陽平】北アフリカの産油国リビアの内戦を巡ってロシアとトルコが介入を強めている。ロシアが支援する有力武装組織リビア国民軍(LNA)が優勢だったが、トルコの軍事介入でシラージュ暫定政権が反攻に出ており、複数の要衝を奪還した。国連は1日、両内戦当事者が和平協議に復帰すると発表したが、先行きは見通せない。

リビアは2011年にカダフィ政権が崩壊した後、分裂が続く。19年4月に有力者のハフタル司令官率いるLNAが、国連が認める暫定政権の拠点、首都トリポリに向けて進軍し、内戦が本格化した。

19年4月以降、ロシアが支援するLNA側が武力や支配地域で圧倒してきたが、20年5月ごろから暫定政権がトリポリ近郊の空軍基地を奪い返した。1月にリビアへの派兵法案を可決して軍事介入に踏み切ったトルコの支援が奏功しているもようだ。

LNA側も1日、トリポリ南方の要衝を再奪取したと表明するなど、戦闘は激しくなっている。米軍は5月、LNAを後押しするためにロシアが最新鋭の戦闘機をリビアに派遣したと明らかにした。ロシアは否定しているが、巻き返しを図った可能性がある。ロシア、トルコの双方がシリアから戦闘員をリビアに送っているとの情報もある。

国連は1日、暫定政権、LNAの双方が和平協議に復帰することで合意したと発表した。ロシア国際問題評議会のキリル・セミョノフ氏は「ロシアなどLNAを支援する勢力がLNAによるトリポリ攻撃には成功の見込みがないとの判断に傾いた可能性がある」と分析する。

トルコの狙いは、自国の東地中海権益を認める暫定政権の延命にあるとみられ、暫定政権が勢力を挽回したいま和平協議に臨めば一定の目的は達成できる見込みがある。

和平協議は過去に複数回失敗しており、今回の協議が長期的な停戦につながるかは不透明だが、ロシアやトルコなど外国勢の駆け引きが左右すると見られる。両国はそれぞれ別の勢力を支援するシリア内戦でも停戦協議を主導している。

トランプ米政権は中東への関与を弱めている。元米リビア特使のジョナサン・ワイナー氏はロシア機がリビアに派遣されたとの情報を踏まえ「将来的には(地中海の対岸に位置する)南欧の防空のリスクとなる可能性がある」と懸念する。

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