埼玉りそな銀行社長「緊急と長期の2軸で支援」

2020/6/3 20:00
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埼玉りそな銀行の福岡聡社長は日本経済新聞のインタビューに応じ、新型コロナウイルスの影響が続くなか、顧客に対しては「今(緊急対応)と将来を見据えた両利きの提案をしていく」と強調した。企業がコロナがもたらしたニューノーマル(新常態)への対応を進めることから、キャッシュレス決済事業を強化するなど、手数料収入の確保も進めるという。

インタビューに応じる埼玉りそな銀行の福岡聡社長

新型コロナウイルスに関する資金繰り支援では、埼玉県の制度融資など信用保証協会の保証付き融資で約3000件、約800億円の申し込みがあり、独自の融資でも大口を中心に計800億円程度の融資枠を設定した。

「4月は当面の資金繰りに関する相談が多かったが、戦略見直しに対する資金需要も出てきている」。サプライチェーンや新しい働き方に沿ったインフラの整備などに関心が高まっており、「今の迅速な融資と将来に備えたアドバイスという2つの時間軸での支援が重要」と強調した。

コロナ禍で加速するデジタル化では、キャッシュレス決済の提案を強化し、これまでに小売業など約4700店舗に決済端末を無償貸与した。3カ年の新中期経営計画でも、キャッシュレス関連の取扱高を2023年3月期に前期比2倍の1970億円に増やす目標を掲げている。

利用額に応じて手数料が入るキャッシュレス関連事業は安定収入になる。業務粗利益に占める手数料収入など役務取引等利益の比率は前期が21%だったが、23年3月期には25%以上を目指す。将来は「預貸金の利益に頼らなくても経費がまかなえるようにしたい」と述べた。

新中計の柱になっている相続関連業務の拡大にも力を入れる。3月には信託業務の兼営許可を取得し、遺言信託や遺産整理業務などで独自商品を販売できるようになった。「(高齢化が全国有数の速さで進む)埼玉県の実情に合わせた商品を作りたい」と意欲的だ。中計の最終年度までに相続関連の受託件数を前期比1.7倍の1万3000件に伸ばす。

地域金融機関として地元の課題解決に取り組む姿勢も強調した。中計で掲げる自治体の持続可能なまちづくりへの支援について「コーディネーターとして地域経済への役割を果たす必要がある」と積極的だ。

その上で「店舗は顧客とつながる場所として大事にしたい。(複数店舗を1つの店舗内で営業する)店舗内店舗は進むと思うが、抜本的に店舗を減らすという発想はない」。

デジタル化の対応としてスマホアプリの機能を拡充させる一方で「店舗には高度なコンサルティング能力が求められてくる」と話した。

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