豪、29年ぶり景気後退へ 入国禁止など響く

2020/6/3 18:22
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豪大学は学生の約3割が留学生だ(2月、シドニー大学)

豪大学は学生の約3割が留学生だ(2月、シドニー大学)

【シドニー=松本史】世界最長の経済成長を記録してきたオーストラリアが29年ぶりに景気後退に入ることが確実な情勢となった。3日発表の1~3月期の国内総生産(GDP、実質)は前期比0.3%減と9年ぶりのマイナスとなった。新型コロナウイルス対策として導入した入国禁止や外出制限により、4~6月期は一段の落ち込みが避けられない。

3日記者会見したフライデンバーグ財務相は「4~6月期の減少幅は1~3月期よりずっと大きくなる」と認めた。英調査会社、キャピタル・エコノミクスは4~6月期の成長率がマイナス9%まで落ち込むと予想している。

豪州が一般的な景気後退の定義とされる「2四半期連続のマイナス成長」を最後に経験したのは1991年4~6月期まで遡る。2000年代以降は中国がけん引した資源ブーム、その後は住宅ブームによる住宅関連事業が経済を下支えし、景気後退を回避してきた。

1~3月期は新型コロナに加え、2019年末から深刻化した森林火災も響いた。GDPの約6割を占める個人消費は外食やレジャーサービスを中心に減少し、前期比1.1%減。34年ぶりの落ち込みを記録し、GDPを0.6ポイント押し下げた。

外国人の入国禁止も打撃となった。旅行サービスの輸出は19.9%減少し、輸出全体も3.5%低下した。豪州の大学連盟に当たる「ユニバーシティーズ・オーストラリア」は3日、留学生の減少などにより23年までの4年間で160億豪ドル(約1兆2千億円)の減収を見込むと発表した。

豪政府は3月以降、雇用維持や中小企業支援のため豪準備銀行と併せ、GDPの13%に相当する計2600億豪ドルの経済対策を打ち出した。7月末までには経済活動を再開する方針だ。オーストラリア・ニュージーランド銀行のシニアエコノミスト、フェリシティ・エメット氏は「V字回復は考えにくい。来年以降の成長のためにはさらなる景気刺激策が必要」と指摘する。

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