オーストラリアGDP、前期比0.3%減 9年ぶりマイナス
【シドニー=松本史】オーストラリア統計局が3日発表した1~3月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)は前期比0.3%減少した。新型コロナウイルスの影響で個人消費や輸出が低迷し、9年ぶりのマイナス成長となった。前期比でマイナスとなるのは2011年1~3月期(0.3%減)以来9年ぶり。19年終わりから深刻化した森林火災も打撃となった。
GDPの約6割を占める個人消費は前期比1.1%減だった。輸出は外国人の入国制限などの影響を受け、同3.5%減となった。
豪政府は新型コロナを受けて3月下旬、飲食店や娯楽施設の営業を制限し、生活必需品を除く個人消費が大きく落ち込んだ。5月に入り各州は学校を再開し、レストランでの店内飲食を認めるなど規制緩和を進めている。ただ豪政府は外国人の入国は原則として認めておらず、経済の本格的な回復には至っていない。