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ロシアが核使用の指針を公表、米国をけん制

【モスクワ=小川知世】ロシアのプーチン大統領は2日、核兵器保有の基本方針を定めた「核抑止力の国家政策指針」に署名した。ロシアや同盟国に対する弾道ミサイル発射の確実な情報が確認できた場合に核兵器の使用を認めるなどと明示した。米中による軍拡競争の加速に懸念が強まるなか、核使用指針の公表で米国をけん制する狙いがあるとみられる。

指針では核兵器の使用を認める状況として4つを挙げた。弾道ミサイル発射のほか、(1)ロシアや同盟国に対する核兵器や大量破壊兵器による攻撃、(2)国家の存続を脅かす通常兵器を使った侵略、(3)核兵器による報復攻撃を妨げるような国家やロシア軍の主要施設に対する敵の働きかけがあった場合――とした。使用は大統領が決定する。ロシアは旧ソ連諸国の一部と軍事同盟条約を結んでいる。

今回の指針は2010年に当時のメドベージェフ大統領が署名した指針の改訂版にあたる。当時は内容を公表しておらず、公表は初めてとみられる。指針では核抑止力が求められる脅威の一つに「宇宙空間でのミサイル防衛(MD)設備や攻撃システムの設置」を挙げた。宇宙配備型の防衛システム構築を掲げる米国への警戒感をにじませた。

米ロの軍縮を巡っては19年に中距離核戦力(INF)廃棄条約が失効した。21年には新戦略兵器削減条約(新START)の期限が切れる。

新STARTの延長を訴えるロシアに対し、米国は軍縮の枠組みに中国を加えるべきだと主張している。インタファクス通信は2日、ロシアが核指針の公表で「延長に向けて、トランプ米大統領にシグナルを送った可能性がある」とする軍事専門家の見方を伝えた。

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