「後付け解釈 自治体縛る」 泉佐野市長が批判
ふるさと納税訴訟

2020/6/2 22:00
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最高裁での弁論後に記者会見する千代松・泉佐野市長(2日、東京都千代田区)

最高裁での弁論後に記者会見する千代松・泉佐野市長(2日、東京都千代田区)

大阪府泉佐野市の千代松大耕市長は2日、ふるさと納税の返礼品を巡る訴訟で最高裁の弁論に臨んだ。総務省が同市をふるさと納税制度から除外した決定を「地方自治体への違法な関与」とし、弁論後の記者会見でも「総務省が後付けの法解釈で自治体を縛っており、地方自治を軽視している」と批判した。

総務省は過度な返礼品のために法改正をせざるを得なくなったと主張しており、両者の溝は最後まで埋まらなかった。

2019年6月1日の改正地方税法施行で、返礼品は寄付額の3割以下の地場産品に限定された。同市は施行前にこの基準を超す返礼品で多額の寄付を集めたとして、新制度から除外された。

総務省は施行前まで、法的拘束力のない「技術的助言」で自治体に返礼品の抑制を求めてきた。千代松市長は弁論で「何度も技術的助言を出したことがかえって自治体間で解釈の差を生み、混乱や格差につながった」と指摘。同市の代理人弁護士は技術的助言に従わないことを理由とする不利益な取り扱いを禁じた地方自治法に違反すると主張した。

ただ、泉佐野市は18年度にふるさと納税で約497億円もの寄付を集めており、総務省の要請に従った他の自治体からは不満の声も出ている。

国と自治体の関係を対等とした地方分権一括法の施行から今年で20年。だが「対等」の捉え方が両者の間で食い違っている。泉佐野市は対等だから法的根拠に基づかない制裁は違法と主張する。千代松市長は弁論後の記者会見でも「総務省は地方分権の旗振り役とされるが、ふるさと納税では本気度が全く感じられなかった」と語った。

一方、高市早苗総務相は昨年10月の記者会見で「技術的助言で対応してきたのは国と地方の対等な関係を踏まえ、自治体の良識を信じて制度運用してきたから」と発言している。自治体をすぐに法律で縛るのは地方分権にそぐわないという考えだろう。

千代松市長は弁論で、多額の寄付収入を理由に、総務省が同市への特別交付税を大幅に減らしたことにも言及。「自分たちの言うことを聞かなければ、ふるさと納税制度に参加させない、交付税を減らすという総務省の姿勢は、中央と地方が主従的関係だった前時代的なものから変わっていない」とした。同市は特別交付税減額についても取り消しを求め、近く総務省を大阪地裁に提訴する方針だ。 (塩田宏之)

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