コロナ禍でCLO減損リスクも、日銀・金融庁が調査公表

2020/6/2 19:52
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日本の金融機関が世界市場全体の2割弱を持つローン担保証券「CLO」を巡り、日銀と金融庁は2日、初の合同調査結果を公表した。2019年9月時点の大手行の保有額は合計13.8兆円で、3年半前の2.7倍。基本的には最も格付けの高い商品が大半を占める点を評価する一方、金融市場の混乱で価格が大幅に下落し減損損失が出るリスクも指摘した。

CLOは複数の低格付け企業へのローン債権を束ねた商品だ。企業の支払う利息がCLOを持つ投資家の利益になる。世界の残高は18年末で82兆円にのぼり、10年間で2倍以上に増えた。08年の金融危機の一因になったサブプライムローンから組成した証券化商品と似ているとの見方があり、各国の規制当局が注視している。

日銀と金融庁の調査によると、CLOは大手行が大半を保有する。99%以上がトリプルA格で、米銀(77%)や英銀(50%強)と比べて高い水準にある。金融危機が起きても「満期まで持ちきった場合の損失率は抑制されている」と評価した。

ただ、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でCLOの裏付けとなっている融資企業の格下げが増えている。格下げで市場価格が大きく下がれば、日本の金融機関も減損損失が発生する恐れがある。金融市場の混乱で3月はCLOの価格が大きく下がっており、こうした市場の影響なども「十分警戒する必要がある」とした。

大手行では保有するCLOの75%が満期保有目的だ。ただ、外貨調達が難しくなればCLOを売ってドルに換金せざるを得なくなる場合もあり、損失を抱えるリスクも指摘した。3月には邦銀のドル調達コストが一時、急上昇しており、日銀や金融庁は邦銀の外貨調達の強化を求める。

調査は銀行や証券、保険会社など約400の金融機関を対象に19年後半にアンケートと聞き取りを実施した。日銀と金融庁は今後、大手行を対象に半年に1度のペースでCLOの保有状況などを調査する方針だ。

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