三菱商事とNTT、出資完了のヒアの技術使い物流支援

2020/6/2 16:32
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三菱商事NTTは2日、デジタル地図で世界大手の欧州ヒアテクノロジーズへの出資を完了したと発表した。投資額は両社合わせて約1千億円とみられる。三菱商事とNTTは、正確な位置情報を活用した物流効率化の支援サービスを年内にも開始。新型コロナウイルスの収束後も見据え、不要なコストを削減したい物流企業などの需要を取り込む。

三菱商事とNTTはデジタル地図の技術をサービス開発に応用する

ヒアはデジタル地図で競合する米グーグルなどと比べ、地図の精度が高いとされる。デジタル地図は、何がどこにあるかを遠隔から正確に把握する技術が重要だ。ここに強みを持つヒアの技術を使い、三菱商事とNTTはトラック配送の効率化支援や消費者行動を分析したりといったサービスを打ち出したい考えだ。

実用化が早そうなのは配送分野の効率化だ。効率的なルートをAI(人工知能)が自動で選んだり、道路の混雑状況を加味して到着予定時刻を推定したりするサービスを想定。一部は年内にも国内で提供を始める。東南アジアなど海外展開も検討する。各家庭の電力使用状況のデータなどと組み合わせることも考えられる。高齢者の住む家庭が普段より電力使用量が急に少なくなった場合に、近くにいる見守りサービスの担当者がすぐに駆けつけられるような展開を構想している。

三菱商事とNTTの出資比率が計3割となったヒアは、世界約200カ国・地域の地図情報を持つ。欧州の自動車メーカーや部品大手が主要株主で、地図の提供先だ。「MaaS(マース)」など次世代技術の開発に不可欠とされている。

NTTは農業や製造業、スマートシティーなど、幅広い産業で位置情報を使った新サービスを検討している。三菱商事がデジタル地図の関連技術の取り込みを急ぐのは、収益源の一つの資源事業が、米中貿易摩擦や新型コロナなどを背景にした世界経済の低迷で打撃を受けているためだ。従来の収益源だけでなく、デジタル技術による顧客の課題解決を収益の柱にしていきたい考えだ。

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