トヨタ・ホンダ・日産、生産調整続く 世界工場マップ

2020/6/2 10:52
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日経クロステック

新型コロナウイルスによる影響は長期化しており、世界の自動車工場では生産調整が続いている。トヨタ自動車ホンダ日産自動車の大手3社における工場の稼働状況をマッピングしたところ、世界的に稼働再開の動きが加速しているものの、いまだに再稼働が見通せない国もあり、格差はより顕著になっていることが分かった。「緊急事態宣言」が全国で解除された日本においても、新型コロナのリスクは依然として残る(情報は5月29日時点)。

■北米と南米

北米と南米の工場の稼働停止状況(作成:日経クロステック)

北米と南米の工場の稼働停止状況(作成:日経クロステック)

トヨタとホンダは北米での生産再開を果たしている。残る日産は、6月1日から米国工場を段階的に再稼働させる。日産のメキシコ工場は再稼働の日程が固まってはいないが、同社の現地発表によれば「徐々に再開に向けて動いている」という。

北米で最大の市場であり製造国でもある米国。同国の感染者数は174万人に上り、死者数は10万人を超えている(5月29日時点)。予断を許さぬ状況が続くが、経済や雇用などへの影響を考慮して、早めの工場再開に踏み切っている。

ここにきて感染者数が急増しているのが南米ブラジルだ。同国の感染者数は46万人で、米国に次ぐ世界2位に躍り出た。死者数は2万7000人に達している(5月29日時点)。ブラジルでは、日産が5月下旬にいち早く稼働を再開した模様だ。トヨタやホンダは「状況を見極める」とし、6月下旬の再開を見込む。

■欧州

欧州の工場の稼働停止状況(作成:日経クロステック)

欧州の工場の稼働停止状況(作成:日経クロステック)

欧州では、トヨタがさらに3カ国の工場を再稼働させた。英国は5月中旬から段階的に稼働を再開し、チェコやロシアの工場も既に動いている。一方で、ポルトガルでは稼働停止を1カ月半延ばし、6月30日までとした。社会情勢や従業員の健康を考慮しての判断とみられる。

その他、日産はロシアでの工場稼働を5月下旬に再開したようだ。気がかりなのは、3月13日~5月3日まで稼働を止め、現在は稼働中のスペイン・バルセロナ工場である。日産社長兼最高経営責任者(CEO)の内田誠氏は、5月28日に開いた中期経営計画の発表会見で「バルセロナ工場の閉鎖に向けた協議と準備を進める」と表明した。同工場の稼働率は3割前後で推移しており採算割れが続いていた。

■アジア(日本を除く)

日本を除くアジアの工場の稼働停止状況(作成:日経クロステック)

日本を除くアジアの工場の稼働停止状況(作成:日経クロステック)

アジアでも再稼働の動きが相次ぐ。トヨタは、タイやインドネシア、フィリピン、台湾で稼働を再開させた。日産は、アジアの主力であるタイ工場を6月はじめから全面的に再開させる計画だ。需要に合わせて生産調整中の第1工場に加えて、6月1日には第2工場が再稼働する。

政府による「外出禁止令」が長期化しているインドでは、日産の稼働再開に続き、トヨタが5月26日に第1工場を1直体制で再開させた。残る第2工場は当面稼働を止める。ホンダは慎重だ。インドでの4輪車と2輪車の生産は3月23日から止めているが、現段階で「再稼働日は未定」(ホンダ)だ。

■日本

日本の工場の稼働停止状況(作成:日経クロステック)

日本の工場の稼働停止状況(作成:日経クロステック)

「本日、緊急事態宣言を全国において解除する」――。安倍晋三首相は5月25日の会見でこう表明した。同宣言の解除で、日本国内は日常を取り戻しつつある。だが、自動車メーカーは次なる対応として、世界的な車両需要の蒸発を受けた生産調整を始めた。

トヨタは6月5、12、19、26日の計4日、国内の全工場の稼働を止めて生産台数を調整する(高岡工場第2ライン、豊田自動織機301・302ラインを除く)。この4日間の稼働休止に加えて、6月以降に全15工場28ライン中、7工場10ラインで追加の生産調整に踏み切る。

日産も、栃木工場や追浜工場、日産自動車九州で稼働停止の日程を追加する。一方で、ホンダはいち早く国内全工場で稼働を再開させており、6月以降も計画通りに工場を動かす。

(日経クロステック 窪野薫)

[日経クロステック 2020年6月1日掲載]

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