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中国、米産農産品輸入停止も 米報道 香港巡り瀬踏みか

【北京=原田逸策】米ブルームバーグ通信は1日、中国政府が大豆や豚肉など米国産農産品の輸入を一時的に停止するよう中国国有企業に命じたと報じた。米トランプ政権の香港問題での出方を中国側が瀬踏みしている可能性がある。

報道によると、複数の大手国有企業が大豆を含む米国産農産品の輸入を一時停止するよう命じられたほか、一部のバイヤーは米国産豚肉の輸入を取り消した。トランプ米大統領が29日に「香港国家安全法」の制定方針を批判し、香港に認めている関税などの優遇措置を取り消す考えを示したことが背景にあるという。

ただ、トランプ氏の29日の演説について、中国では「予想したほど強硬ではなかった」との受け止めが少なくない。関税や査証(ビザ)などの優遇措置をいつからどう取り消すかなど具体策に言及しなかったほか、市場が「最悪の事態」と懸念していた貿易協議の「第1段階合意」の破棄も口にしなかったからだ。

貿易協議の経緯を知る国務院(政府)関係者は「全米での暴動問題もあり、いまは強硬姿勢を取るのに最適な時期ではないとトランプ氏も判断したのではないか」とみる。今回も香港問題で厳しい対中制裁を打ち出さないようけん制するため、米国にゆさぶりをかける戦術の一環とみられる。

米中は現時点では第1段階合意を履行する方針を崩していない。新型コロナウイルスで中国側の輸入の進展は遅れるが、米通商代表部と米農務省は5月21日、中国の対応を評価する声明を出した。中国の李克強(リー・クォーチャン)首相も政府活動報告で「第1段階合意を米中共同で実行する」と述べていた。

第1段階合意では中国側の輸入が目標に達しなければ、米国がいつでも制裁関税をかけられる。トランプ氏は票田である農家の支持を左右する農産物の動きに敏感で、中国側も輸入を全面停止すれば厳しい報復を受ける覚悟を迫られる。今回の報道を主要な中国メディアは転電しておらず、国内で反米感情が高まりすぎないよう神経を使っていることもうかがえる。

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