塩野義製薬、5年で事業投資枠5000億円 中期経営計画

2020/6/1 19:31
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新しい中期経営計画を発表する塩野義製薬の手代木社長(都内)

新しい中期経営計画を発表する塩野義製薬の手代木社長(都内)

塩野義製薬は1日、2024年度までの5カ年の中期経営計画を発表した。5000億円の事業投資枠を設け、海外でのM&A(合併・買収)や新規ビジネスの創出に活用する。28年ごろには主力の抗エイズウイルス(HIV)薬の特許が切れロイヤルティー収入が急減する「パテントクリフ(特許の崖)」が待ち受ける。成長余地の大きい地域で自社販売を伸ばし、収益を安定して増やす体制作りを進める。

都内で同日開いた発表会で手代木功社長は「特許切れは売り上げが大きくなるほど影響も大きい。ずっと追いかけられる課題だ」と指摘した。20年3月期には稼ぎ頭の抗HIV薬「ドルテグラビル」などで得るロイヤルティー収入が1656億円と、売上高の半分を占めた。

ロイヤルティー収入を除く海外売上高比率は10%台にとどまっており、医薬品などの自社販売を強化し24年度に50%以上に高める。自社販売により売上高の波をコントロールし、一般用医薬品やワクチンなど特許によらない製品にも力を入れ、特許切れの影響を受けにくい体質作りを進める。売上高にあたる売上収益を現状の3300億円程度から、24年度に5000億円に引き上げる。

海外では米国と中国を強化する。米国では多剤耐性菌の治療薬など自社製品の拡大を進め、M&Aや新規ビジネス創出も狙う。中国では3月に提携を基本合意した中国平安保険グループとの協業により収益基盤を作る。

日本ではインフルエンザや注意欠陥多動性障害(ADHD)関連製品を中心に売り上げ拡大を狙う。自社での創薬を軸に据える開発方針は変えず、自社創薬率は60%以上を保ち、研究開発費は過去5年間と比較し2割以上増やす方針だ。

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