長期運用は毎月定額積み立て 価格下落でも「平常心」
Dr.マネーお悩み外来 Vol.3

Dr.マネーお悩み外来
コラム
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2020/6/9 2:00
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本日もお金の悩みを抱えた人が「白鳥FP事務所」にやってきました。「自分のお金は自分で管理運用できるように、一生困らないマネーリテラシーを身につける」をモットーに、FP白鳥京香がみなさまのご相談にお答えします。

Case1-3: 情報サービス会社にお勤めの新入社員の男性Aさん(22)が3度目のご来訪です。前回の処方箋は
・利益を引き出さずに運用を続けると複利効果が期待でき、効果は運用期間が長いほど大きくなる
・複利は逆に働くこともある。低コストの商品を選ぼう
でした。

Aさん こんにちは。朗報と悲報があります。まず良い方から。世界中の株式に投資をするインデックスファンドを選んで、ついに投資を始めました。私も晴れて個人投資家の仲間入りです。

次に悪い方です。これまで「長期、分散、低コスト」という運用に大切なことを学びました。しかし、ニュースを見ていると株価が上がったり下がったりしています。本当に大丈夫なのでしょうか。正直、とても不安です。心がざわざわします。

白鳥 ざわつきますか。でも、大丈夫。安心してください。Aさんの心はすぐに穏やかになりますよ。なぜなら、買い方に妙があるからです。

Aさん 買い方に妙?? なんですかそれ。

白鳥 Aさんはこれから、決まった日に、決まった金額で一定の商品を買い続けていく「積み立て投資」をしていきます。この方法は、「企業型DC」の他に、「個人型確定拠出年金(イデコ)」や「つみたてNISA」でも同じです。一度設定しておけば、あとは自動的に積み立て投資ができます。この買い方のよいところは、「ドル・コスト平均法」と呼ばれる手法の効果を享受できる点です。

Aさん ドル? いや、私が購入したのは円建てですが……。

白鳥 ドル・コスト平均法とは、ドルとは必ずしも関係なくて、決まった金額(定額)で毎月購入していく手法のことをいうんですよ。投資信託の価格を「基準価格」といいますが、積み立て投資のすばらしい点は、価格が安いときには多く購入でき、高いときには買える口数が減ることです!

Aさん 白鳥さん、お言葉ですが同じ金額で買い付けていくわけですから、それって当たり前な気がしますけど。

白鳥 その当たり前を続けていくとどうなると思いますか? 表をご覧ください。例えば、毎月の投資額を3万円として、5月の基準価格が1万円だったとしましょう。すると3口買えますね。6月は基準価額が1万5000円だとすると、買えるのは2口です。7月には5000円に下がっていたとします。6口買えます。8月にはまた1万円に戻りました。買えるのは3口です。

合計すると14口買えたことになります。8月の基準価額は1万円ですので、1万円×14口で、保有投資信託の価値は14万円です。

白鳥 では、5月に12万円分を一括投資したとしましょう。基準価格は1万円なので、買えるのは12口です。積み立て投資に比べて2口少なくなります。

Aさん 保有投資信託の価値は12万円ですね。おぉ。積み立て投資をすると、下がったときに多く口数を買えるので、たとえ8月の相場が5月と同じ1万円で横ばいだとしても、結果はもうかっているということですか! 買い方の妙とはこのことですね。なるほど。株価が下がったとしても何も心配しなくてもよいということか。下がってもむしろうれしいぐらい?

白鳥 そう、下がったときにはたくさん買えてラッキーと思えばいいです。もちろん、ずーっと下がり続けるとまずいですが、Aさんのようにグローバルに分散投資をするファンドなら大丈夫です。心穏やかでいられますよね。

Aさん 安いときにたくさん買う、高いときには少し買うということを自動的にずっと続けられるということですね。なるほど。これから仕事をしっかりがんばりたいと思っている私にとって、手間がかからず便利な方法ですね。

白鳥 それから、Aさんが選んだファンドの「インデックス」の意味ですが、これは、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)とか、FTSEオール・ワールド・インデックスと呼ばれる指標(インデックス)の動きに合わせて運用されるというものです。投資信託を1本持つことで、全世界の主要な上場株式を買うことができます。

インデックス投信は市場並みのリスクをとって、市場並みのリターンをできるだけ安いコストで得ようというものです。一方、市場より高いリスクを取り、高いリターンをあげようとするものもあります。アクティブ投信といいます。

合理的な運用をしていくために、資産全体を中心と周りの部分に分ける「コア・サテライト」という考え方があります。中心(コア)になる部分は、老後の生活を支えるお金をつくっていきますので、低コストのインデックス運用でしっかり長期分散投資をしていきましょう。

Aさん 複利パワーで資産を大きく育てていくわけですね。

白鳥 さて、お昼休みも終わりですね。3回にわたってお疲れさまでした。きょうの処方箋をお渡しします。

◇  ◇  ◇

・定額の積み立て投資なら、価格下落時に多く購入できます。

・資産運用の中心(コア)は、インデックス運用でしっかり長期分散投資をしていきましょう。

◇  ◇  ◇

白鳥 次回は、お金がためられないと悩んでいる28歳の女性のご相談です。では、2週間後にお会いしましょう。

岩城みずほ(いわき・みずほ)

ファイナンシャルプランナー(CFP)。オフィスベネフィット代表。「金融商品を販売することによるコミッションを得ず、中立的な立場でコンサルティングする」をモットーに、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長も務める。著書に『「保険でお金を増やす」はリスクがいっぱい』(日本経済新聞出版社)など。https://www.officebenefit.com/

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