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ダイハツのEV 環境意識の先駆(古今東西万博考)

1970年・大阪

ガソリン車が当たり前だった1970年。大阪万博で走っていたのは電気自動車(EV)だった。時速は6~8キロメートルとかなりゆっくり。ダイハツ工業が会場内を巡るタクシー、資材を運ぶ輸送車として275台納入したEVだ。環境問題が世界のテーマとなっていたなか、未来の乗り物として来場者の注目を集めた。

四角い車体に淡いピンクと白色の2種類の塗装。65年に発売した「ハイゼットバン」をベースに6人乗りの車を造った。鉛の電池を積み、最高時速は15キロメートルだった。今は万博記念公園とダイハツ社内に1台ずつ保存されている。

ダイハツは65年、他社に先行してEV開発を始めた。当時の小石雄治社長がガソリン車の急速な普及による大気汚染や環境悪化を改善したいという思いから始動したプロジェクトだった。約3年かけて開発し、68~69年には当時の軽自動車「フェローバン」をベースにした車両を関西電力に納品した。万博後、ダイハツのEVはホテルの送迎車、ゴルフ場カート、官公庁の業務用車両として幅広く活躍した。

ただ、電池の価格が高いうえ、90年代末にはハイブリッド車(HV)に注目が集まるようになり、2010年代初期にはEV開発はほぼストップした。

25年の大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」だ。ダイハツは現在、EVを手掛けていないが、環境への意識は受け継ぎ、19年にHVの新たなコンセプトモデルを公開した。同社にとってEVの経験は「先進技術にいち早く取り組んだ確かな証し」(同社)という。

(山下宗一郎)

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