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妖怪アマビエ、兵庫・姫路の博物館に「出現」

疫病の流行を予言するとされる妖怪、アマビエ。コロナ禍が続く中、独特の味わい深い風貌でSNS(交流サイト)を中心に人気に火が付いた。拡散した画像の原典は江戸後期の瓦版。この史料が兵庫県立歴史博物館(姫路市)で6月23日に始まる「驚異と怪異」展に出品される。コロナ禍以降、初めての展示だ。

瓦版は1846年製作の「肥後国海中の怪(アマビエの図)」(京都大学附属図書館所蔵)。それによると熊本県の海中に毎夜光るものがあり、役人が確かめるとアマビエが出現。これから6年間豊作が続いた後に疫病が流行するので自分の姿を写して人々に見せるようにと告げ、海中に消えたという。描かれた姿はロングヘアの人魚のようであり、口はクチバシ状で目や耳はひし形。江戸時代とは思えない特異な造形センスに加え、ゆるい外見に似合わぬ切実なメッセージがコロナ禍に苦しむ現代人の心に刺さったのだろう。自分好みにアレンジしたアマビエのイラストをSNSなどに投稿する人は後を絶たない。

同館の香川雅信学芸課長は妖怪研究が専門。「予言する妖怪の絵姿で疫病から逃れるという話は江戸時代の定型的な伝承」だと言う。アマビエ以前にも美女の顔に竜の体の「神社姫」、人間の顔に牛の体の「クダベ」などの記録が残る。アマビエはこの系譜に連なるが「『アマビエ』の名を伝える史料は瓦版1点のみ。本来は『アマビコ』という3本足の猿でした」。救いを求める人々がこぞって描き写すうちに人魚のような姿に変貌したアマビコ。その進化はコロナ禍の現代においてなお続いている。

今展は想像上の生き物たちを描いた絵画など約250点を展示する。8月16日まで。「アマビエ」の出品期間は未定。

(田村広済)

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