店の混雑 アプリで可視化 3密防ぎ来店促す

2020/6/1 21:30
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新型コロナウイルスの感染を防ぐため、九州の飲食店や小売店で、店内の混雑状況をスマートフォンなどで知らせるサービスが広がっている。空いている時間に来てもらうことで、店内が「3密」状態になることを回避する。利用者が安心して来店できるように配慮し、「ニュー・ノーマル(新常態)」下での店舗運営を軌道に乗せようとしている。

店に設置した端末で「空いている」「やや混雑」「満席」を選んで通知する

バカンは福岡市などで飲食店の混雑状況やコロナ対策の有無を配信するサービスを始めた。

福岡市の焼き肉店「肉焼き酒場 二と九」は緊急事態宣言の全国解除を受け、ITスタートアップ、バカン(東京・千代田)が開発した店の混雑状況や感染防止対策を確認できるアプリの利用を5月28日から始めた。

店内に専用端末を設置し、従業員が「空いている」「やや混雑」「満席」の3つボタンの中から1つ選んで押すと、5秒ほどでアプリに情報が表示される。利用客は店が空いているか確認して来店できる。福本隆太郎店長は「たくさんのお客さんに、安心して来てほしい」と話す。

同店は緊急事態宣言を受けて営業を自粛。持ち帰りサービスも始めたが、売り上げは想定より少なかった。福本店長は混雑状況を知らせることで「回転率が少しでも上がってほしい」と期待する。

バカンは福岡市天神と宮崎県のJR宮崎駅(宮崎市)や都城駅(宮崎県都城市)周辺の約30の飲食店と契約した。利用者は無料で利用できる。飲食店は10月末まで無料だが、その後利用料を支払う。料金は今後詰める。九州地区を担当する畠山怜之氏は「飲食店は新型コロナで厳しい。売り上げ回復につながれば」と話す。

マーケティング支援のウネリー(東京・千代田)はスマートフォンの全地球測位システム(GPS)による位置情報をもとに、九州のスーパーなどの混雑状況を5月初旬からウェブサイトで表示し始めた。

位置情報は提携するスマホアプリ経由で集め、AI(人工知能)で解析。スーパーやドラッグストア、ホームセンターなど小売店の半径100メートルの混雑状況を「通常より混雑」「通常程度」「いつもより空いている」の3段階で1時間おきに表示する。

混雑具合は直近4週間で最も混んでいた1時間と比べ、実数ではなく、例えば混雑は赤色、すいているは青色と、3色で「見える化」する。福岡県では西日本鉄道系の食品スーパー、西鉄ストア(福岡県筑紫野市)や、ドラッグストアモリ(同県朝倉市)などの混雑状況を調べられる。

利用者は混雑していない時間を調べて買い物ができる。今後、店の利用人数や、将来の混雑を予測するサービスの開発も目指す。

福岡地所が運営する大型商業施設「木の葉モール橋本」(福岡市)では、フードコートで対話アプリ「LINE」を使って注文や支払いができるサービスを始めた。店のメニューを選んで注文し、スマホ決済「LINEペイ」で支払う。

フードコート内で混雑している店には「混雑中」と表示し、調理時間がかかることが分かる。注文から料理の受け取りまでオンライン化することで、利用客の待ち時間を減らし、フードコート内の3密を避ける。福岡地所は「今後、他の商業商業施設にも広げていきたい」としている。

(千住貞保、福井健人)

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