黒人暴行死の抗議デモ、米75都市に拡大 企業対応急ぐ

2020/6/1 6:07
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抗議活動は全米75都市に広がった(31日、米ボストン)=ロイター

抗議活動は全米75都市に広がった(31日、米ボストン)=ロイター

【ニューヨーク=中山修志、シリコンバレー=佐藤浩実】米ミネソタ州で黒人男性が白人警官の暴行によって死亡した事件への抗議デモは、5月31日も各地で続いた。米メディアによると、抗議活動は同日までに全米の75都市に拡大した。暴徒化した群衆による略奪行為が各地で相次ぎ、企業は営業中止や従業員の安全確保などの対策に追われた。

30日にはデモ隊の一部が暴徒化し、カリフォルニア州やミシガン州などで高級ブランド店や自動車販売店が襲撃されるケースが相次いだ。ニューヨークのタイムズスクエアでは、襲撃を防ぐために多くの店舗が木の板でショーウインドーを覆った。

31日もニューヨークやロサンゼルスなど全米各地で大規模なデモがあり、企業は自衛策を講じている。

小売り大手ターゲットは全米で約200店を一時的に閉じたり、営業時間を短縮したりした。最大手のウォルマートも一部店舗で午後の営業を取りやめた。オレゴン州ポートランドの店舗などで略奪が起きたアップルは、再開していた多くの店舗を閉鎖した。

タイムズスクエアの店舗は略奪を防ぐためにショーウインドーを板で覆った(31日、米ニューヨーク)

タイムズスクエアの店舗は略奪を防ぐためにショーウインドーを板で覆った(31日、米ニューヨーク)

アマゾン・ドット・コムはドライバーの安全確保のために、ロサンゼルスやシカゴなど抗議活動が激しい地域で配送業務を縮小し、経路を変更した。フロリダ州では1日に予定したマイアミビーチの再オープンが延期されるなど、新型コロナウイルス対応の経済活動の再開にも影響が及ぶ。

抗議活動の高まりを受け、ツイッターなどのSNSを通じて自社の姿勢を示す企業も多い。ネットフリックスは「沈黙することは加担すること。黒人の命も大切だ」と掲載した。ウォルト・ディズニー傘下のHulu(フールー)なども相次ぎ、人種差別に反対する声明を発信した。

抗議活動の発端となった事件で暴行した警官は29日に殺人容疑で逮捕されたが、全米のデモは収まる気配がない。各地で警官隊や州兵とデモ隊が衝突、30日までに約1700人が逮捕された。逮捕者の増加や過剰な取り締まりが暴動を激化させているとの指摘もある。

トランプ米大統領は31日、州兵による暴動の鎮圧を改めて呼びかけた。新型コロナ危機で国民の不安が募るなか、強硬策が裏目に出れば、トランプ政権にとって大きなダメージになりかねない。

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