米、黒人暴行死で州兵5000人 ワシントン夜間外出禁止

2020/6/1 3:04 (2020/6/1 6:29更新)
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ホワイトハウス(奥)周辺に集まった黒人死亡事件への抗議デモ参加者(5月31日、米首都ワシントン)=ロイター

ホワイトハウス(奥)周辺に集まった黒人死亡事件への抗議デモ参加者(5月31日、米首都ワシントン)=ロイター

【ワシントン=中村亮】白人警官の暴行による黒人死亡事件への抗議デモが全米に広がっていることを巡り、国防総省州兵総局は5月31日、15州と首都ワシントンのあるコロンビア特別区が同日午前時点で州兵(ナショナルガード)を動員したと明らかにした。合計で約5千人にのぼり、必要に応じて2千人が追加されると説明した。

ワシントンのバウザー市長は31日、市内全域に31日深夜から6月1日早朝まで外出禁止令を出した。米メディアによると、夜間外出禁止令が出たのは全米の40都市以上に達した。26日に中西部ミネソタ州ミネアポリスで始まったデモの暴徒化は止まらず、事態が緊迫している。

州兵総局によると、州兵を動員したのはミネソタ州のほか、西部コロラドや東部ペンシルベニア、南部ジョージアの各州が含まれ全米に広がる。各州の州兵は通常時、州知事の監督下に置かれて暴動や自然災害に対処する。コロンビア特別区では常に連邦政府の指揮下にある。緊急時は連邦政府の軍に移行する予備役としての役割もあり、アフガニスタン戦争やイラク戦争にも派遣された。

トランプ大統領は31日、ツイッターでミネアポリスで動員された州兵の活動を称賛した。「手遅れになる前に他の州も動員すべきだ」と訴え、デモとの対決姿勢を改めて鮮明にした。

さらに、反ファシズムを掲げる極左団体「アンティファ(反ファシスト)」がデモの暴徒化をあおっているとし、テロ組織に指定する方針も示した。アンティファ自体は組織ではないが、人種差別や反ユダヤ主義に、時に暴力的に対抗するため連携する極左グループや個人の運動とされる。

2017年に南部バージニア州で起きた白人至上主義者との衝突などに関わり、暴力もいとわないとされる集団だ。国内団体のテロ組織指定は難しいとの見方もあるが、方針を示したこと自体が抗議デモを一段と暴徒化させるリスクを伴う。

これに関連し、バー司法長官は31日の声明で、デモの暴徒化を促している犯罪組織を特定するための捜査を本格化させると説明した。バー氏も以前、アンティファがデモの暴徒化をあおっていると指摘していた。バー氏は「平和的なデモをのっとり、連邦法に違反する者を逮捕し起訴する」とも強調した。

トランプ氏はデモの沈静化に向け、強硬姿勢を示してきた。30日には連邦政府の軍に属する憲兵隊を派遣する準備があると語った。米メディアによると、大統領が国内の治安維持を目的に連邦政府の軍を派遣できる暴動法を適用したのは、ロサンゼルス暴動が起きた1992年が最後となる。当時は黒人に暴行を加えた白人警官が無罪となり、大規模な抗議デモが起きていた。

ホワイトハウスの近くで続く抗議デモ(5月31日、米首都ワシントン)=AP

ホワイトハウスの近くで続く抗議デモ(5月31日、米首都ワシントン)=AP

ホワイトハウス前で警察官に向け手を挙げるデモ参加者(5月31日、米首都ワシントン)=ロイター

ホワイトハウス前で警察官に向け手を挙げるデモ参加者(5月31日、米首都ワシントン)=ロイター

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