人種差別・失業増で不満も 米デモ拡大、一部で略奪

2020/6/1 0:10
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30日、破壊された店舗に入るデモ参加者=米中西部イリノイ州(Ashlee Rezin Garcia/Chicago Sun-Times提供・AP=共同)

30日、破壊された店舗に入るデモ参加者=米中西部イリノイ州(Ashlee Rezin Garcia/Chicago Sun-Times提供・AP=共同)

米白人警官による黒人暴行死への抗議が暴徒化した。人種差別による米社会の亀裂が深刻になっているのに加え、経済停滞への不満が蓄積していることが背景にある。

新型コロナウイルスの感染拡大による雇用の悪化で5月の失業率が20%に達する可能性もある。一部の黒人貧困層が抗議活動に乗じて略奪に走っているとの見方が出ている。

コロナ感染が黒人を直撃している。米調査機関によると、コロナによる黒人の死者数は白人の2.4倍にのぼる。4月の失業率も黒人は16.7%と白人より2.5ポイント高い。貧困で満足な治療を受けられない人も多い。

「略奪が始まれば銃撃も始まる」。トランプ米大統領はデモへの強硬姿勢を鮮明にする。黒人の多くは野党・民主党の支持者とされる。大統領選を11月に控え、分断をあおって支持者の結束を図る姿勢は変わらない。暴動の鎮静化に向けたメッセージを打ち出せていないのが現状だ。

軍の動員も検討されているが、抗議は米国に根ざす人種差別が起点だけに、抑えつけると暴動が激化しかねない。ニューヨークのデブラシオ市長は平和的なデモなら認めるとしたうえで「あなたの前にいる警官が今回の問題をつくったわけではない」と述べた。

米国ではなお1日あたり2万人前後の新型コロナウイルス感染者がでている。デモ参加者がウイルスを地元に持ち帰る恐れもあり、ミネソタ州のマルコルム衛生局長は「感染リスクを十分認識してほしい」と訴えた。

米国では数年ごとに警官による黒人暴行事件が大規模な抗議活動に発展している。2014年にはミズーリ州ファーガソンでマイケル・ブラウンさんが警官に射殺され、全米にデモが広がった。

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