中国、30年に「宇宙強国」目標 ロシアは新型ロケット

2020/5/31 17:53
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中国の習近平(シー・ジンピン)指導部は2030年に米国、ロシアに次ぐ「宇宙強国」となる目標を掲げる。中国の初めての有人宇宙船の打ち上げは03年だが、22年をめどに独自の宇宙ステーションを完成させ、宇宙での長期滞在を可能にする計画だ。

中国メディアによると、30年以降に有人の宇宙船を打ち上げて月面を探査する計画を検討しており、45年には火星を有人探査する構想も浮上する。ただ最近はロケット打ち上げで失敗が相次ぎ、今年計画している火星探査機の打ち上げを成功させることが課題だ。

スペースシャトル退役後に有人飛行を請け負い、収入を得てきたロシアは米国の有人宇宙飛行の再開に焦りを強める。プーチン大統領は4月「有人飛行は伝統的にロシアの強みであり、主導権を維持しなければならない」と強調した。国営宇宙開発企業トップはスペースXの打ち上げ費用が不当に安いと非難する。

ロシアはソ連崩壊後で初の国産ロケット「アンガラ」を開発中で、極東で建設が進む新基地から有人での打ち上げを23年に計画する。30年までに有人での月面着陸を目指し、月など太陽系の探査に意欲を示す。ただ近年は打ち上げの失敗や基地建設を巡る汚職が続いた。ロシアの打ち上げ回数は19年に25回と中国の34回を下回り、ソ連時代に築いた宇宙大国の衰退が指摘される。

米中が勢いを強めるなか、宇宙開発での国際連携も探る。19年に中国と月面探査での協力を定めた協定を結んだ。宇宙での軍拡競争を防ぐ枠組み作りを呼びかけ、米国の軍備増強をけん制する。宇宙開発に詳しいコラムニスト、アレクセイ・ペスコフ氏は「ロシアが宇宙開発で掲げる構想の実現は不透明だ」と述べ、米中と連携する余地は小さいとの見方を示す。

(北京=多部田俊輔、モスクワ=小川知世)

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