米新型宇宙船打ち上げ スペースX主導、9年ぶり有人

2020/5/31 4:26 (2020/5/31 6:22更新)
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ケネディ宇宙センターから打ち上げられた新型宇宙船「クルードラゴン」=AP

ケネディ宇宙センターから打ち上げられた新型宇宙船「クルードラゴン」=AP

【ワシントン=鳳山太成】米航空宇宙局(NASA)と宇宙ベンチャーのスペースXは30日、新型宇宙船「クルードラゴン」を初めて人を乗せて打ち上げた。米国の有人宇宙飛行は2011年7月のスペースシャトル退役以来9年ぶり。民間主導で有人宇宙開発を進める第一歩となる。

米東部時間30日午後3時22分(日本時間31日午前4時22分)、南部フロリダ州のケネディ宇宙センターから大型ロケット「ファルコン9」で打ち上げた。米国人飛行士2人が搭乗、宇宙船を予定通りの軌道に投入することに成功した。

スペースXと同じくイーロン・マスク氏が創業したテスラの車から手を振る宇宙飛行士のダグ・ハーレイ氏(30日)=ロイター

スペースXと同じくイーロン・マスク氏が創業したテスラの車から手を振る宇宙飛行士のダグ・ハーレイ氏(30日)=ロイター

31日午前(同31日深夜)に国際宇宙ステーション(ISS)に接続し、滞在中の飛行士と対面する。地球への帰還日は今後決める。打ち上げを現地で見届けたトランプ大統領は「我が国にとって、とても大きな励みになる」と語った。

打ち上げは悪天候のため27日から30日に延期していた。クルードラゴンは19年3月、無人飛行に成功。今回は人を乗せた最終試験で、順調なら20年8月30日にも正式運用を始め、日本人宇宙飛行士の野口聡一さんら4人の飛行士が乗り込む。

今回の試験が成功すれば米国は再び自前の宇宙輸送手段を確保できる。シャトル退役後はロシアの宇宙船「ソユーズ」に1人8千万ドル(約86億円)超で委託していた。

米国の新型有人宇宙船は1981年のシャトル以来、約40年ぶり。費用がかさんだシャトルの反省から、開発主体を民間に移管してコストを削減しつつ、宇宙産業を育成する。NASAは火星探査などに注力する。

新型宇宙船はスペースXとボーイングの2社が競い、スペースXが当初予定から約3年遅れで有人飛行にこぎつけた。ボーイングが開発中の「スターライナー」の有人飛行は21年の見通しだ。

宇宙開発では人工衛星の打ち上げサービスなど無人の分野では民間移管が進んだ。スペースXはクルードラゴンを民間人の宇宙旅行事業にも活用する計画だ。有人でも企業がコストやサービスを競う新時代が到来するかどうかの転換点となる。

別の宇宙船とロケットで24年までの有人月面着陸を目指す「アルテミス」計画にも弾みがつきそうだ。トランプ政権は宇宙軍を創設するなど軍事、商業、科学のあらゆる分野で世界をリードしたい考えだ。中国は米国とロシアに次ぐ「宇宙強国」を目指して宇宙ステーションの開発などを進めている。米国の有人飛行復活は宇宙における米中の覇権争いにも影響する。

米国では多くの人が新型宇宙船「クルードラゴン」の発射を見守った(30日、フロリダ州)=AP

米国では多くの人が新型宇宙船「クルードラゴン」の発射を見守った(30日、フロリダ州)=AP

新型宇宙船「クルードラゴン」を搭載し、打ち上げられた「ファルコン9」ロケット(30日)=AP

新型宇宙船「クルードラゴン」を搭載し、打ち上げられた「ファルコン9」ロケット(30日)=AP

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