箱根など観光地、にぎわい徐々に 宣言解除後初の週末

2020/5/30 19:49
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新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言が全国で解除されて初の週末となった30日、約1カ月ぶりに立ち入り制限が緩和された観光地では、久々に家族連れなどが笑顔を見せた。ただ県境を越える移動は引き続き自粛が求められており、「人出は例年の1割」との声も。施設側からは感染拡大の「第2波」に警戒する声も聞かれた。

■箱根・大涌谷

閉鎖中だった神奈川県箱根町の観光地「大涌谷」が30日朝、約1カ月ぶりに再開された。駐車場は午前9時の開場から1時間半で約110台分が満車に。政府は県境を越えた不要不急の移動は引き続き自粛を求めており、この日も「横浜」や「湘南」などの県内ナンバーが大半を占めた。

「一定の間隔をあけてお待ちください」。午前11時前に名物の「黒たまご」は用意していた400個を完売。感染リスクを避けて屋外で販売していた大涌谷くろたまご館の前には一時、客の行列ができ、店員が慌てて1メートル30センチごとに粘着テープで路上に目印をつけた。梁瀬雅之営業部長は「初日ということもあって控えめに準備したが、こんなにお客さんが来るとは」と驚いていた。

観光客はみなマスク姿で、家族連れが目立った。6歳と4歳の子どもと遊びに来た神奈川県小田原市の公務員の男性は「3月から幼稚園が休園していたので近所にしか連れて行けず、子どもたちもストレスがたまっていた」と話す。

ただ、観光客は「例年の半分以下」(飲食店)で、再開した施設もなお警戒を続ける。1カ月半ぶりに再開した箱根ロープウェイは1つのゴンドラの乗車を原則1グループに制限。大涌谷駅長の渡辺敬介さんは「第2波の心配がなくならない限りこの状況が続く」とみる。飲食店や土産物店では店員がフェースシールドやマスクを着けて接客していた。

■有馬温泉

年間150万人以上が訪れる兵庫県の有馬温泉。25日に営業を再開した日帰り温泉施設「金の湯」では30日、家族連れらがくつろいでいた。家族4人でバスで40分かけて来た小学6年生の女児(11)は「温泉でリフレッシュしたい」と笑顔を見せた。

有馬温泉街の日帰り温泉施設「金の湯」に訪れた人たち(30日午後、神戸市北区)

有馬温泉街の日帰り温泉施設「金の湯」に訪れた人たち(30日午後、神戸市北区)

担当者によると、休業前は大阪府などからも客が来ていたが「再開後は県内客が多い」。平日に1日400~500人が訪れていた客数はせいぜい200人ほど。「人出が戻るにはまだ時間がかかる」と覚悟する。

有馬温泉観光協会(神戸市)の担当者は「温泉街の人出は例年の1割程度」と話す。三十数カ所の宿泊施設のうち、30日時点で宿泊客を受け入れているのは約10施設で、協会が運営する観光案内所も休業中だ。

5月中旬に宿泊客の受け入れを再開した老舗旅館「陶泉 御所坊」も客数は例年の5%程度。金井啓修社長は「6月に入れば少しずつ客足が戻ると信じている」と話した。

■登別温泉

北海道内有数の温泉地、登別温泉(登別市)も客足は遠のいたままだ。登別国際観光コンベンション協会によると、温泉街にある14宿泊施設のうち、30日までの再開は3施設のみ。残りは主要観光地のアクセス道路が通行可能になる6月1日以降の再開予定という。

再開した「花鐘亭はなや」は週末は満室になることもあるが、平日の予約は多くて3分の1ほど。以前は外国人客や道外からの予約が大半を占めたが、現在はほぼ道民で、女将の山口紋加さんは「道外や海外の需要がどのくらい戻るか」と不安がる。食事は原則部屋食で、風呂も客同士の利用が重ならないように調整するなど「第2波」に備えた予防策の徹底も急いでいる。

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