米中高まる緊張 米、香港優遇を廃止

2020/5/30 19:10
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米中対立は再び先鋭化している=ロイター

米中対立は再び先鋭化している=ロイター

【ワシントン=永沢毅】米国と中国の緊張が高まっている。トランプ米大統領は29日、香港の「一国二制度」の形骸化につながる中国による統制強化などを受けて中国への幅広い対抗措置を打ち出した。中国はメディアを通じて反発姿勢を鮮明にしており、トランプ氏の強硬策は中国による報復をもたらす可能性がある。

トランプ氏は同日の記者会見で中国の香港国家安全法導入を「一国二制度を一国一制度に置き換えた」と批判した。対抗措置として(1)香港への優遇措置の廃止(2)中国や香港当局者への制裁――の手続きに入ると明らかにした。ただトランプ氏は優遇措置の廃止にどのくらい時間をかけるかなど具体的な時期や詳細は明言せず、注目されていた米中貿易合意にも触れなかった。

新型コロナへの対応が「中国寄り」と批判してきた世界保健機関(WHO)とは「関係を断絶する」として事実上の脱退を宣言。WHOへの拠出金は他の公衆衛生の国際的な取り組みに振り向ける。中国軍との協力の疑いがある中国の大学院生の入国禁止や、米国市場に上場する中国企業への調査にも乗り出す。

こうしたトランプ氏への強硬姿勢に中国は反発している。

中国共産党の機関紙、人民日報(電子版)は30日に配信した評論記事で「米国の制裁は荒唐無稽だ」と批判した。米国は香港で巨額の貿易黒字を出しており、米国にも影響は大きいと指摘。米国が香港の優遇関税を取り消しても「香港政府はすでに十分な対応準備ができている」と主張した。

中国共産党系の環球時報(電子版)も30日、トランプ氏の記者会見を「ウソに満ちていた」と強く非難したうえで、「米国が(制裁を)続けるなら、どこまででも受けて立つ」と対抗措置をとる可能性を示唆した。

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