「感染第2波なら長期停滞」 FRB議長がリスク警戒

2020/5/30 2:00
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【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は29日の講演で「新型コロナウイルスの感染第2波のリスクは明白にある。経済再生が大きく遅れかねない」と強い懸念を示した。政策運営は「できうる限りの手段を使う」と述べ、6月の会合で追加策を検討する考えも表明した。ただ、トランプ米大統領が求めるマイナス金利は「適切ではない」と改めて否定した。

FRBのパウエル議長は新型コロナの感染第2波が経済に与える影響を警戒する=ロイター

パウエル氏はFRB元副議長のアラン・ブラインダー米プリンストン大教授と、対談形式で講演した。米経済は段階的に経済活動を再開しつつあるが「感染第2波が起きれば米経済の試練となる」と述べた。生活者が不安を抱えたままなら「景気回復は一段と弱まり、経済再生の道のりも極めて長くなる」と長期停滞に陥る懸念を表明した。

FRBは6月9~10日に次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。追加策を決断するかが焦点だが、パウエル氏は「景気回復を支えるため、できうる限りの手段を使う」と述べた。FOMC内では、米国債の買い入れ量を増やす量的緩和の拡大や、短期・中期債の利回りに上限を設ける新たな金利目標などが議論されている。

トランプ氏は日欧などが採用するマイナス金利政策を求めているが、パウエル氏は「米国では適切な手段ではない」と改めて導入を否定した。銀行の利ざやの縮小で「民間融資がかえって減少しかねない」と指摘。米国は短期債などで運用するMMF(マネー・マーケット・ファンド)が生活者に広く使われるが「マイナス金利になれば明白な副作用が起きる」とも述べた。

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