ツイッター、トランプ氏の投稿に警告 「暴力を賛美」

2020/5/29 23:24 (2020/5/30 5:25更新)
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ツイッターのジャック・ドーシーCEO=ロイター

ツイッターのジャック・ドーシーCEO=ロイター

【ワシントン=中村亮】米ツイッターは29日、米中西部ミネソタ州での暴動をめぐるトランプ大統領の投稿について「暴力を賛美している」との警告表示をつけた。26日にトランプ氏の投稿が誤解を生む恐れがあると注意喚起したことに続く措置だ。トランプ氏は「ツイッターは共和党員や保守派、米大統領を標的にしている」と主張し猛反発した。

ツイッターはトランプ氏の投稿に関し「暴力を賛美している点でツイッター社の規則に違反している」と指摘した。「ただこの投稿にアクセスを認めることは公益にかなう可能性がある」と説明し、「表示」というボタンを押すと投稿がみられるようになる。トランプ氏は「ツイッターは中国や極左の民主党の虚偽や宣伝活動に全く対処していない」と主張し、自身の投稿への警告は不適切だと訴えた。

トランプ氏は29日、ミネソタ州の白人警官が黒人を押さえつけて死亡させた事件をめぐり一部のデモ隊が暴徒化したことに関し、ワルツ同州知事と電話し「軍はあなたとともにあると伝えた」とツイッターに投稿。デモ隊を「悪党」とけなし「略奪が始まれば銃撃が始まる」と書き込み、デモ隊に対する武力行使を支持するかのような姿勢をみせた。

ツイッターは26日、11月の大統領選をめぐりトランプ氏の郵便投票に関する投稿が誤解を生む可能性があるとして注意喚起した。トランプ氏は「言論の自由を奪った」などとして猛反発し、28日にはSNS(交流サイト)の規制強化に向けた大統領令に署名した。

1996年に成立した米通信品位法は「善意による判断」であればSNS運営企業が投稿を削除したり、閲覧を制限したりできると規定。SNS各社が自社のプラットフォームにふさわしいコンテンツを決められるとの解釈が一般的だ。SNS企業がテロ組織の戦闘員勧誘や薬物取引などに関する投稿を削除できるのは同法が根拠になっている。

トランプ氏はSNS企業が同法を政治利用し、自身や支持基盤の保守派の投稿を不当に扱っていると主張する。通信品位法はSNS企業が投稿の取捨選択をしても法的責任は原則問われないと規定するが、28日の大統領令ではこの免責対象を狭める意向を示し、議会に立法措置を求める考えを表明した。訴訟を起こしやすくして、投稿に対するSNS企業の監視を抑える狙いだ。

ただトランプ氏の主張には懐疑的な見方が多い。合衆国憲法第1条が規定する「言論の自由」は、国家による言論統制から国民を守ることを一般的に想定している。民間であるSNS企業が投稿を削除しても憲法上は言論統制と解釈されないとされる。一方で米メディアによると大統領令はSNS上の言論活動を制限する恐れがあるとしてSNS企業が政府に対する訴訟を準備しているという。

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