感染「第2波」警戒 東京22人、北九州は26人

2020/5/29 22:16 (2020/5/30 7:18更新)
保存
共有
印刷
その他

新型コロナウイルス感染症対策本部会議で発言する小池都知事(29日、都庁)

新型コロナウイルス感染症対策本部会議で発言する小池都知事(29日、都庁)

新型コロナウイルス感染の「第2波」への警戒が広がっている。緊急事態宣言が25日に全面解除された後、北九州市と東京都の医療機関でクラスター(感染者集団)の発生が確認され、いったん収まった感染者が再び増え始めた。経済活動の再開に向けた動きが相次ぐなか、目先の封じ込めだけでなく、医療体制の強化など第2波を前提とした対策が求められる。

「第2波のまっただ中にある」。北九州市の北橋健治市長は29日、対策会議で訴えた。同市では22日まで3週間以上、感染者ゼロが続いたが、その後、状況は一変。29日は1日当たりで最多の26人の感染が判明し、同日までの7日間で新規感染者は計69人に上った。

市は2つの医療機関でクラスターが起きたと分析する。ただ感染者の居住地域は分散し、職業や年齢も幅広い。厚生労働省の対策班が感染ルートの解明を急ぐが、特定には時間がかかりそうだ。

政府はこれまで緊急事態宣言を出す判断材料として「直近1週間の新規感染者数が人口10万人中5人以上」との目安を示していた。同市の29日までの1週間の感染者数に当てはめると7.36人で、目安を超えた。福岡県は同日、飲食店など一部業種を対象とした休業要請を同市内で6月1日以降も延長すると決めた。

医療体制の強化も急ぐ。県内には新型コロナの患者向けの病床が490床ある。27日時点の病床稼働率は7.3%、重症者病床に限っても10%にとどまるが、「クラスターが起きれば、一気に病床が埋まる可能性がある」(北九州市の担当者)。県は病床を570床まで増やし、軽症・無症状の人が療養する宿泊施設も現状の826室から1200室にする方針だ。

国内では29日、午後8時半までに新たに65人の感染が確認された。22人だった東京都は4日連続の増加で、警戒警報「東京アラート」を出す判断材料に用いる3指標のうち感染経路不明率など2つで基準を上回った。都は同日、6月1日から幅広い業種で休業要請などを解除すると決めたが、小金井市の病院でクラスターも発生しており、第2波への懸念は高まる。

厚労省の集計によると、クラスターは5月20日時点で全国262カ所で起きた。うち医療機関と福祉施設が152件を占める。予防策が手薄な一般病棟や高齢者施設で起きやすいとされ、新型コロナと診断されていない外来患者らがウイルスを持ち込んだとみられる。

政府の専門家会議は29日、新たに提言を公表し「100人規模のクラスター発生に常に備えるべきだ」と強調。次の流行に備え、医療体制やPCR検査の強化を求めた。

厚労省は21日時点で、感染ピーク時に全国約3万1千の病床を確保見込みで「逼迫は起きていない」とする。ただ、安倍晋三首相が目標に掲げる5万床の確保には届かず、現時点で約1万8千床にとどまる。いざ使用する場合も、別の病気で入院中の患者を別病棟に移したり、院内で医療スタッフを別の部署から集めたりするのに時間がかかるなどの課題がある。

専門家会議の尾身茂副座長は一部地域で感染の再燃が起きているとの認識を示し「経済活動を再開しても、突如クラスターが現れることが起こりうるとの認識で十分注意してほしい」と話した。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]