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LIXIL、コロナを「商機」に 衛生需要がカギ

オンラインで決算説明会を開いたLIXILグループの瀬戸社長兼CEO

LIXILグループの最高経営責任者(CEO)に瀬戸欣哉氏が返り咲いて間もなく1年。同社に新たな課題が立ちはだかった。29日に発表した2020年3月期の連結決算(国際会計基準)は最終利益が125億円の黒字(前の期は521億円の赤字)だったが、新型コロナウイルスの影響が影を落とす。ニューノーマル(新常態)への転換が求められている。

20年3月期の売上高にあたる売上収益は前の期比0.1%増の1兆6944億円。国内は住宅建材や水回りが好調で、消費増税に伴う駆け込み需要の反動減やコロナの影響による需要減を補った。売上収益から原価や販売費・一般管理費を差し引いた事業利益は7.5%増の586億円だった。これまで業績の足を引っ張ってきた伊子会社ペルマスティリーザの損失が縮小し、最終損益は黒字化した。

足元では日本の全工場が稼働し、海外でも生産停止はメキシコや南アフリカにとどまる。部品調達でも海外は大きな問題はなく、日本は3月下旬から改善している。

一方で、21年3月期の連結業績予想の発表は延期した。コロナの影響が続き、先行きが不透明なためだ。海外での20年4~6月の販売(出荷状況)は前年同期比25~30%の減少を見込む。日本でもリフォーム件数が落ち込み、15%減の見通し。

6月からリフォームは徐々に回復すると予想しているが、新築着工の件数が減ってきており、7~9月の販売は減少幅が大きくなるとみている。国内外でコロナ感染の第2波が出る懸念もある。

それでも29日に開いたオンライン会見で瀬戸社長兼CEOは「働き方が変わることで生産性が向上し、色々なビジネスの新しい機会が生まれている。必ずしも悲観的ではない」と述べた。

同社は全員が基本的に在宅勤務し、オンラインで営業活動している。様々な取引先と図面や情報を共有することも可能にした。ショールームでは自宅にいる顧客にオンラインで見積もりや3Dの完成予想イメージを即座に提供している。これは海外にも広げる方針。瀬戸社長兼CEOは「(在宅勤務を)完全に元に戻す必要はない」と話す。

「ニューノーマル」に対応する商品群への期待もある。ハンドルに触れず清潔に使えるタッチレス水栓や自動開閉・自動洗浄機能の付いたシャワートイレ、閉めたまま換気できるドア、在宅勤務スペース確保のパネル、宅配ボックスなどだ。

タッチレス水栓で同社の国内シェアは8割に上る。世界でもトップクラスの売り上げだ。前期の日本でのタッチレス・自動水栓の出荷台数は水栓全体の4%程度にとどまる。「水栓の出荷台数を増やさなくてもタッチレス化を進めることで、売り上げと利益を大きく増やす機会がある」(瀬戸社長兼CEO)

20年3月期に98億円だったタッチレス・自動水栓の売り上げは21年3月期に166億円を狙い、必要な生産能力の確保を進めている。シャワートイレも世界で需要が増加し、米国では20年4~5月にシートタイプの需要が前年同期比60%増えたという。

瀬戸氏は18年に創業家の潮田洋一郎氏によってCEOを事実上解任された。その後は首脳人事を巡る対立があり、19年6月の株主総会を経てCEOに返り咲いた。

今回のコロナ禍はガバナンス強化や構造改革、ペルマ売却など遅れていた改革を本格的に始めた矢先の逆風だ。ピンチをチャンスに変えられるのか。「プロ経営者」と呼ばれる瀬戸氏の手腕が試される。

(小田浩靖)

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