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アジャイルウェア 仮想オフィス、在宅でも意思疎通

はたらく

作業に応じて、画面上で区分けされた仮想オフィスを移動する

同僚が今何をしているのか分からない、チャットの返信がいつまでたっても来ない――。在宅勤務では社員の様子が分からず、ちょっとした会話も切り出すタイミングがつかみにくい。システム開発のスタートアップ、アジャイルウェア(大阪市)はウェブ上に仮想のオフィスを再現。「集中したい」など社員の様子を目に見えるようにして、円滑なコミュニケーションにつなげている。

アジャイルウェアは会議録の自動作成ソフトなどを手掛ける。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2月下旬に約40人の全社員を在宅勤務とした。緊急事態宣言の解除を受けて一部は出社に戻したが、仮想オフィスの運用は続ける。東京の拠点と連絡が密になるなど利点が多かったという。

4月に外部ソフトを導入し、社員は仕事を始めるとまず仮想オフィスに「出社」する。自分を示す丸いマークの色を赤にすれば「集中したい」、緑は「話しかけてもらっても大丈夫」を意味する。いまの気分を一目で全員と共有できる。

仮想オフィスは部屋に分かれ、同じ部屋にいる人のスピーカーはオンになっている。つまり誰かが話していればその声は自然と耳に入り、横から気軽に会話に参加できる。マイクをオフにすれば自分の声を伝えないこともできる。

在宅勤務では「現実のオフィスと違い、相手が会議中なのか食事中なのかも分からない」(川端光義社長)ため、相談や連絡が希薄になりがちだ。3月には管理職から「部下の様子がつかみにくい」との声がこぼれていた。

実際、チャットで様子をうかがうなど無駄なやり取りがかさんだ。仮想オフィスを導入すると、相手の様子を見てビデオや音声でいきなり呼びかけられるようになった。無駄なチャットが2割超減るなど、連絡が取りやすくなっている。

仕事だけではない。ビデオ通話を使い社員が一緒にラジオ体操をするなど、新しい交流も生まれた。ラジオ体操をする部屋を見れば、「参加人数や盛り上がりがぱっと分かり、加わりやすくなった」と川端氏。在宅勤務で運動不足を心配する社員は多く、ほぼ毎日、十数人程度が参加する。

在宅勤務は社員の孤独感や疎外感が課題とされる。IT(情報技術)ツールの活用は、在宅勤務が長引く環境を生き抜く助けになりそうだ。(佐藤遼太郎)

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