未来面「やり方を変えましょう。」

フォローする

 日本経済新聞社は、読者や企業の皆さんと一緒に日本の課題について考え、議論する「未来面」を展開しています。今期のテーマは「やり方を変えましょう。」 革新的なアイデアをお寄せください。企業のトップが選んだ優れたアイデアは新聞紙面や日経電子版で紹介します。

世の中の「当たり前」をどんな技術でどう変える?
高崎秀雄・日東電工社長 経営者編第2回(6月1日)

2020/6/1 2:00
保存
共有
印刷
その他

経営の大きな柱が2つあります。1つは50年以上続き、経済学者からも評価されている「三新活動」です。新製品の開発、新用途の開拓、新需要の創造の3つの新を追求し続けてきました。

新製品を開発するために、まず社内でアイデアを募ります。顧客のニーズ、さらに不満、不安などの「不」の視点から年間50件ほど出てきます。これを選別してテーマにするのが0から1のステージです。この過程を資金面で支援する「経営ファンド」を立ち上げました。

高崎秀雄 日東電工社長

高崎秀雄 日東電工社長

テーマに基づいてプロジェクトを進め、新製品にするのが1を10にする作業です。新製品を事業化することで10が100になり、会社の収益基盤に育ちます。現在、「核酸医薬」の創薬などに取り組んでいます。

1を100にするまでにだいたい10年かかります。新製品はやがて普及し、新しい使い道を考え、それが新しい需要につながります。

経営のもう1つの大きな柱が「グローバルニッチトップ」です。三新活動で生まれた製品は世界でナンバーワンでなければいけない。小さなマーケットでもいいのです。特許を取れるような独自性を持ち、事業化できるものであってほしい。この2つの柱のもと、日東電工はイノベーションを積み重ねてきました。

新型コロナウイルス感染症で、日本の会社は大きな変革を余儀なくされています。リーマン・ショックの時、私たちは「無・減・代」をキーワードに改革を進めました。目の前の仕事や設備、システムなどの中で、無くせるもの、減らせるもの、代わりの利くものはないか。この視点で経営の効率化を徹底しました。

今回のコロナはリーマンの時以上の大きな変革をもたらすでしょう。在宅勤務やオンライン会議などの新しい波を5Gが後押しします。事業化に取り組んでいるプラスチック光ファイバー(POF)は安全に速く情報を運びます。

事業化に取り組んでいるプラスチック光ファイバー(POF)

事業化に取り組んでいるプラスチック光ファイバー(POF)

コロナが終息しても、戻ってこないものがたくさん出るでしょう。何が戻ってきて、何が戻ってこないのか。そこで日東電工は何ができるのか、社員には「コロナ後の社会にどんなニーズが出てくるのか、よく考えろ」と言っています。

これからの企業は社会や環境にも配慮した経営が不可欠です。私たちの製品の中に「リバアルファ」という仮固定用の粘着シートがあります。これはしっかりくっつくが、熱負荷をかけると簡単にはがれます。はがした部材の再利用などを通じて、環境にやさしい生産につながります。どんな時代になっても立ち止まっている暇はありません。

そこで皆さんにお願いです。今、目の前にある世の中の「当たり前」をどんな技術で、どのように変えたいですか。今を0として、いかにして1を生み出しますか。コロナを契機に考えてみてください。

高崎秀雄・日東電工社長の課題に対するアイデアを募集します。投稿はこちらから。

■編集委員から

日東電工が独自製品を続々と生み出した背景には、常に顧客の厳しい要求があった。「こんな製品ができないか」という声にただ応えるだけでなく、プラスアルファで顧客満足度を高める姿勢を貫いてきた。そのためには営業の第一線に立つ社員も技術を理解している必要がある。営業もできる技術者が三新活動を支えている。

グローバルニッチトップ戦略も高い技術力があってこそだ。高崎社長が先頭ランナーにこだわるのは、他社を追いかける立場になると、最後は価格の勝負になってしまうからだ。独自性へのこだわりは、新卒採用にも表れる。インターンシップに参加した学生は、5~6人ほどのグループに分かれ、0から1を生み出す課題を与えられる。数カ月かけて生み出されるアイデアは、時に高崎社長をうならすレベルだという。こうして日東電工の門をたたいた学生たちが、次世代の三新活動の担い手になっていく。イノベーションの連鎖が同社の成長エンジンだ。(編集委員 鈴木亮)

◇   ◇

 未来面の新シリーズ「やり方を変えましょう。」の第2回の課題は「世の中の『当たり前』を、どんな技術でどう変える?」です。400字以内にまとめた皆さんからの投稿を募集します。締め切りは6月11日(木)正午です。優れたアイデアを選んで、22日(月)付の未来面や日経電子版の未来面サイト(https://www.nikkei.com/business/mirai/)で紹介します。投稿は日経電子版で受け付けます。電子版トップページ→ビジネス→未来面とたどり、今回の課題を選んでご応募ください。
日経COMEMO(https://comemo.nikkei.com/n/n77ed48d73d97)でも各業界のキーオピニオンリーダーたちが今回の課題について議論しています。アイデアの参考にしてください。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ

電子版トップ連載トップ